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私は鳥籠が嬉しい。金網越しの空や、きちんと掛かった鍵が嬉しい。中で音楽を聴いているとここは、私専用の小さな天国のよう。 音楽のリールが回ると、時間は逆流して、金網は溶けて水となり、物語みたいな私の過去が再生される。過去の記憶、それだけが意味…

日記(人の中で)

10月9日(土)、僕は変われるんだなあ、と思う。良くも悪くも。この頃、精神の状態が大分良くなってきた。もしかしたらまた、心から楽しい時間を過ごせるようになるかもしれない。 10月10日(日)、少しずつ、少しずつ良くなっていく。少しずつ身軽になって…

日記(とても怠かった)

10月1日(金)、夜中。虫の声を聴いている。そろそろ窓を開けていたら寒い季節がやってくる。今聞こえるのは、単調な虫の声(風がそのまま鳴っているみたい)、扇風機の音、キーを打つ音、それからやっぱり高速道路の音。 全ては消える。溶けていく。 今まさ…

9月最後の日記

9月22日(水)、…… 9月23日(木)、昨日からひどくぼんやりしている。 当たり前のことだけど、僕はここに独りでいる。誰かと話していても、言葉が自分の気持ちから逸れていることが多くて、仕方なく笑っている。人の好さは、多分僕にはあると思う。 例え何十…

日記(少しだけ楽でいたい)

9月21日(火)、今日は頭がぼんやりする。晴れていて蒸し暑いのに、身体は冷たい。今日こそは外に出かけようと思っていたのに、結局はうつらうつらと椅子に座ったり、ベッドに横になって本を読んだりしている内に、すっかり夜になってしまった。母にビタミン…

無くしていきたいということ

9月20日(月)、昨日、夜11時頃に眠り、今朝は1時に起きる。2時間眠った。昨日は多くの時間を寝て過ごしたので、睡眠時間は十分足りている。昨日はとても不安だったので、何日かの分の抗不安薬を飲んだけど、今日は大丈夫な気がする。起きて、今日一日が殆ど…

日記

9月17日(金)、僕は正気にしがみつこうとする。それは狡いことだろうか? 例えばギターのことを出来るだけ呑気に書いて。でもそれはあまり続かないのかもしれない。気付くと僕は、自分が本当の孤独の中にいる、と感じる。もとからそこに、誰もがいる場所。…

存在すること

理由。 重さが正気にたどり着くとき。僕は、お金があったら、ポロックよりも、寧ろベーコンの絵を集めたい。そして、全ての絵をガラス張りにして、暗い、電気の当たる、地下室に並べたい。 僕は、多分ネガティブな要素を原動力にしてしか生きられないのだろ…

日記(目が醒めてきた)

9月12日(日)、昨日は頭が重くて、一日中、ご飯も食べずだらだらしていた。今日の午前2時半くらいになってやっと起きる。身体はすっかり軽くなっていた。爪が一日で大分伸びたような気がする。ギターを爪弾けて、キーボードを叩くにも支障がない微妙な爪の…

日記(怠さの中で)

9月9日(木)、不安や焦り、それはどこから生まれてくるのだろう? 不安も焦りも不要だ、と理屈では分かっている。でも、考え方でどうにかなる問題じゃない。 この頃やっと、外の世界がちゃんと外に見える。何年もの間、外に行っても、ずっと自分の精神の内…

日記

9月6日(月)(朝)、日付が替わってからも、身体の怠さと自信の無さが抜けないので、YouTubeで、初めてアリ・アクバル・カーンとラヴィ・シャンカルの演奏を、映像で見た。他にも何人かのサロードとシタール奏者の映像を見たけれど、僕にはアリ・アクバル・…

日記、メモ

9月5日(日)、早くから夜を寝て過ごし、早朝にはもう起きて目醒めていたい。そうして有り余った一日を、勉学や遊びなどに費やすのだ。「酒を飲んだあとに宿酔(ふつかよい)があるように、酒を毎日飲んでいると宿酔に相当した時期がやって来る」と梶井基次…

グールドが好きなこと

昨日は、夜になっても万年筆で書きものをしていた。ずーっとグレン・グールドを聴いていて、何て個人的な感傷に満ちた音楽なのだろうと思う。人に「完璧」という属性があるとすれば、それは技術的に優れているという意味ではなく、また他人と比較して欠点が…

生存

今、私はベッドの上で、ノートに万年筆でこれを書いているのだけど、こうしていると、布団の上は私の王国だ。ノートとペンだけが、睡眠薬の青い朝焼けの中、うっすらと目覚めていて、他には私の身体と心しか無い。私は私の態度が怖い。理由も無く全てが悲し…

メモ(美しさと私)

モーツァルトの音楽があまり好きになれないのは何故でしょう? この、35歳で死んだクラシック界の代表的な作曲家のひとりの音楽を、一生楽しめずに死ぬのは、人生(?)の大きな損失のひとつである気がしないでもない。今ちょうどモーツァルトの最高傑作のひ…

メモ(空は赤く)

(ねえ、痛みを思い出して) 水辺にはきらきらと花が溶けていた。いろんな場所にいろんなものがあるみたい。私もまた、様々な人間だったみたいだ。結局のところ私に出来るのは、過去の私を許すことだけ。私は適度に脱皮している。別々の眼から、私は私を見て…

メモ(水槽のように)

僕が僕だという感じがしない。小説を集中して読んだ後などには、しょっちゅうそう感じる。詩は僕の心を鮮明にする。特に18歳のときから、連続して生きている僕の感触を明確にする。その頃のまま、僕には何ひとつ変わらない部分があって、その部分だけが、こ…

数日前までの日記(少し悩んでいた)

8月24日(火)、僕が生きている、という事実に、今さらながら驚くことが、近頃とても多い。精神の病気で曖昧だった心が、ひとつに、石ころみたいに纏まりつつあるのを感じる。全然、それは宝石でも何でもないけれど、僕にとっては大切な、意思の固まりみたい…

私はもう、何も要らない。iPodに、遠い、遠い空を入れて、病院の屋上でギターを弾いていたい。空の白い魚を釣るように、電線に永遠を見るように、ただ嘘に塗れたこの世界で、与えられた指と、歌の感触を、小さくなって確かめていたい。私の存在の儚さを、あ…

日記(生き始めて、死に始めて)

8月18日(水)、僕は10年前に、それまで書いた文章をほぼ全て削除した。そのことを今でもまだひどく後悔している。みっともないことだし、勝手に消して、勝手に自分だけダメージを受け続けているのだけれど。僕は10年間、ひと文字も、自分の言葉を書けたこと…

知りたいこと、感じたいこと

僕の意識は自分自身を傷付けるし、苦しいし、恥ずかしいし、何より混乱して、人をも傷付ける。気付くと訳が分からなくなって、壁の染みを静かにずっと撫でていたりする。生きている。僕は人に好かれようと本気で努力して、あまり好かれもせず、嫌われもしな…

明るい明るい、明るい遺書を書きたい

僕は病気でしかなかった。本当にひどかったし、辛かった。何にも価値のあるものを書けなかった。自分の言葉を書けなかった。 僕は1秒も、本当に楽しかったことがない。つまらない、と感じていた訳でもない。笑っていても、冗談を言っていても、僕の心は、僕…

小さい散文集

2021/07/16 永遠の指先。私は机の上の片付けが好きです。要らない物はじゃんじゃん捨てますが、誰が見ても要らない物(例えば20年間溜め続けたタバスコの瓶など)を、後生大事に、四角く、律儀な、まるで経つ時を干した洗濯物のように並べたりします。時は白…

煙に陽が当たりそれが紫に昇っていく白い人影が石垣の傍から溢れては消えていく カーテンなんて無くてよかったのだ 灰色の山で木々たちの死んだ頃僕はカラスについての詩を書いていて庭では枯れた花が揺れていたその山の家はもう無いけれど 今僕は部屋にいる…

メモ

身体に、あまり何も身に付けたくない。昔僕は、ピアスと、ピンクのカラーコンタクトを付けていて、コンタクトはなかなか気に入っていたんだけど、ピアスはヘッドホンを付けるときにすごく邪魔なので、1年くらいで外してしまった。眼の色を変えることは楽しい…

七月の鳥

この夏は冷えたピアノと音の無い庭この部屋から透き通った私の手をいくら伸ばしても現実には届かない クーラーの風はやわらかい鉛筆のように私の内耳を朱で染めていく 鍵盤の上で水遊びをしていると七月の記憶は私の細胞の中で三月みたいそれが陽になって差…

夏の朝に

ゆっくり本を読んでいましょうお茶を飲みましょう今日一日は昨日でも明日でもない全ての光が結び合う場所 こんな幸せな日にも私は私を捨てに行く私の残した言葉はどんな釣り人に釣られるでしょう?それは少女でもいいし自然に枯れたような老人でもいい遠いこ…

日記

6月29日(火)、薬の抜けた朝っていうのは何て素晴らしいのだろう。昨日から殆どの薬は飲んでいないので、今は多分、身体から薬が大分抜けている。躁鬱の薬(ラミクタール)はよく効いていると思うし、また大量に飲んでも皮膚炎になるだけなので、処方量をき…

距離と距離と距離

僕たちの世界は全てこの星のこの一小節に包まれている 私からデータが漏れる寂しさの中で蚕みたいに泣いてる 夜の部屋、遠くで犬が鳴いている、犬には昔、名前があった 情報が流れ過ぎ去る音がする過去が未来に消えていく音 文字たちが廃れた朝に手を伸ばす…

カーテン

カーテンが揺れているそのカーテンの模様や染みを見ていると何だかここは永遠みたいだな、って思う 1染色体、色、音、分子、時間という何か、 だから私たちは演奏するしかない、宇宙をつかさどる為に冷えていく日常を体温で包む為に ドラッグストアの青い屋…