老いた石

地球の裏庭で髪を弄っている。草も花も気に掛からない。虫だって、星だって嫌なんだ。見えるようで、全ては匂いのようで、しかも何の匂いもしない。私は、一体何を見て生きているのだろう? 老いた白い髪、度の強い眼鏡、石ころだって電子の星からの、意味の…

僕がいて

木立の中で昼のウィスキーを飲む。犬がとても寂しく鳴く。執拗に、悲しげに。僕は何もかもを感じる。電線が冷え切っている。 ち、ち、ち、という音がして、屋根から雨粒が落ちる。僕は急いで眠ろうとする。酸っぱい草の匂いがする。昼間のぬるいウィスキー。…

リピート

私はあらゆるボタンを押してまわった。dボタンで全てが消去された。 リズムが揺さぶる葉っぱたち。頭の中の音楽に、全ての有線が断ち切られていく。 何もかもが静止した通りの中、揺らめく人影。この中で私の意識と心拍だけが駆動している。 理想は全てが記…

日記(自分を取り戻しかけていると思う)

1月16日(月)、 雨が降っている。雨音は心地いい。けれど僕はヘッドホンを付けて音楽を聴いている。音楽が楽しいと、起きているのが楽しくて、ベッドから起き上がるのが簡単だ。朝の5時に起きて、一日中UKロックを聴いていた。 読書をして、フランス語の勉…

逃避

孤独を・記憶を睡眠毒で噛み潰す。私の身体が音楽/点になるのを待つ。LEDが向こう側で密柑色に暮れていく。画面の奥で電子の麦粒子が踊っている。RGBの奥の、奥で、奥へ、私の顔が流れていく。私は、私が私になるまで動かない。電話で、中の人に話しかけて…

王国

僕はここにいて、ここにしかいない。 暗い部屋の中。スピーカーから流れ出す、ニック・ドレイクの歌の中。 僕はここにいて、ここにしかいない。 *街外れの港には、油のにおいが染みていた。電柱の影は銀色で、送電線が光っていた。 夕暮れに、船はぎしぎし…

暗めのメモ

死が美しいとか、死に惹かれる、と思ったことは、多分一度も無い。不安から逃れられる一番安直な方法として自殺を希求し続けただけのことで、それは多分、誰だって同じなんだろうと思う。今僕は相変わらずストゥージズの『ファンハウス』を聴いていて、基本…

音楽が聴けるようになってきた

この世はそれ自体が不思議だ。 音楽を聴く為に音質は、ある程度は必要ではあるけれど、少しでもいい音をと拘る必要は無い。オーディオにたくさんのお金を注ぎ込むくらいだったら、レコードやCDを買った方がいいと思う。いい音を聴けたら、それだけで気持ちい…

リチウムの中で

絵だって歳を取る。私は十万人の老人に囲まれて暮らしている。印象的な微笑みは、鏡の中に。 寂しさを、睡眠薬で噛んで飲み下す。リンドウの花が、蜂の巣の中で咲いている。 人は、人の孤独を「美しい」と言う。瞳孔の中で揺れているのは、いつも涙の海の光…

日記(落ち込み気味だ)

2023年1月3日(火)、 午後、久しぶりに、自分が自分であることを思い出した。ひと月近く、僕は、僕が僕である感覚を忘れていた。風の音、そして空の匂い、この寂しさの中を生きていくこと。大事な感情や感覚を、僕はすぐ忘れてしまう。自分が自分であること…

理由なんて無く、鳥が飛ぶ誰を殺しても、いいみたいに誰が死んでも、いいみたいに 私は台所にいる一枚のまな板が濡れている

白い朝

風の音。冬の冷たい、自動車のエンジンの音。――ああ、僕が住んでいるカラフルな世界。 一人。僕の部屋の、そして僕の、冷たい影。WALKMANが朝陽を運んでくる。 色の無い天使__僕。 君は僕よりずっと孤独なギターを弾く。 その面影を、僕もまた、たった一音…

ひとり

湖の底で、しゃがんで、僕はいくつもの動詞を覚えた。詩人たちの根を、手のひらでゆっくり暖めた。

化石

君がおはようと言うから、僕はおはようと言い、君が喜ぶとき、僕は今日を過去に感じる。 頭だけが現実を映していて、足は僕から離れていく。 全ては僕の骨で、眠りから覚めるとき、僕は確かに孤独を感じる。僕に向けられた、君の目に温度を感じないから、僕…

目覚めていたい

12月15日(木)、 何もかもの物音が、病的に感じるほど遠い。 僕のシナプスは、考えているときや、読書をしているとき、あちこちに枝を伸ばしている。頭が熱くなって、脳に血が行き渡っているのを感じる。起きていて、目がちゃんと覚めている時間が好きだ。…

意識と世界についてのメモ

1詩はとても美しい。詩は、脳の中に収まりきらない。 世界が現実だろうと非現実だろうと、関係ない。感情の世界は他を圧倒している。音楽を聴くと、僕は消滅する。脳科学者は、脳がいろいろな機能を発揮する、と言う。例えば、脳が音楽を作る、と言う。僕は…

みんな死にゆくから

12月10日(土)、 人生は短い。好きじゃないことをやっている時間は一秒も無い。一秒後に死ぬ可能性は常にあるのだから。 12月11日(日)、 とても憂鬱だった。朝から夜まで、ベッドの中でぐずぐずしていた。 12月12日(月)、 未明、ギターを三時間くらい弾…

良いことも悪いことも

12月4日(日)、 友人Mに相変わらず長いメールを送っている。たまに彼からのメールの方が長くてにまにましてしまう。大切な友人がいることで救われるような、それだけで生きていて良かったと思える感覚。それは空想では、ほぼ得られないことだ。友人は、秋の…

流れに身を任せながら

12月3日(土)、 優しくなりたい。僕は自分のことばかりだ。でもだからって、他人の為に、なんて思って生きるのもまたとても自己中心的だ。大体の親は、本気で、子供のため、と思っていると思うけれど、子供は親の自己中心性を見抜いている。 最近僕は、動く…

モノクロ

山の果てから吹いてくる風の中には、パンの匂いが混じっていた。 詩と詩が触れあって白い川となり、天体装置たちは夜の中、やっと居場所を見付けた。 白い夜道をたどる人たちは、記憶の片道切符の行く先に、麦の匂いを嗅いだ。 葉が風に鳴る、その中を、赤い…

感慨も無く

12月1日(木)、 誕生日だ。特に感慨は無いけれど、よく生きてきたものだと、不思議な感じはする。頭の調子も大分良くなってきた。もしかしたら、まだまだ生きるのかもしれない。分からないけど。生きていられる限りは、生きようかと思う。時間を大事にして…

夢を見る前に

*破滅したデジタルの世界私たちは悲しい似顔絵のように夕暮れの方へと足を引きずっていく *私は私の部屋の外に拡がりを持たない拡がりを見渡す目は、私を窒息死させるから *目を瞑り、眠りに落ちる瞬間、私は永遠に触れる、空白の一瞬、私は宇宙の中心で…

今日の光

11月25日(金)、 落ち着かないときは、本の匂いをかいでいる。うずくまって、ヘッドホンの音楽に溶けながら。外を吹く風も、小鳥の声も遠い。今朝は悪い夢を見た。夢の内容はすぐに忘れたけれど、心の隅が生きている世界ではなく、まだ悪夢に繋がっているよ…

アニメを見ていた

11月23日(水)、 ……調子が悪くて、ずっとアニメを見ていた。 11月24日(木)、 今日もアニメを見ていた。最近流行っているのと、マイリストに入れていたアニメをいくつか消化した。夜、父に「鬼滅の刃、やっと全部見た。何とか泣かずに見れた」と言ったら「…

体温

11月22日(火)、 朝。夜中に目が覚めてから、どうしても眠れない。カフェインを多く摂ったときのように、頭の表面だけ冴えている。外の風景は白っぽくて、スズメの声も硬い。不安や敵意がほんの少しだけ、空気に混じっているような気がする。遠い昔の、どう…

殺さずに生きたい

11月21日(月)、 朝。ここ数日、一日三、四時間くらいしか眠っていない。無理して起きているわけではなく、また、元気すぎたり焦燥感が強かったりもしない。ただ、やっぱり身体に少し負担が掛かっているのかなと思う。寝不足で免疫力が落ちたせいかどうかは…

良くなったり、悪くなったり

11月20日(日)、 今日は午前中は頭の動きがすごく悪くて、こんなのでやっていけるのかと思ったけれど、午後には気分が晴れた。心身共に軽くなった。 エマーソン,レイク&パーマー(ELP)はキーボードとベース、ドラム、という少し変則的な編成なので、ギタ…

体調が良くなってきた

11月19日(土)、 このところ、本格的に鬱が治ってきたと感じる。まだ少し、ぼんやりとした匂いのような憂鬱感は残っているけれど、死ぬほど重い鎖が心臓に巻き付いているような、死ななきゃどうにもならないような、絶対的な絶望感は無くなってきた。みぞお…

日記、メモ

11月15日(火)、 完璧な世界に住んでいたい。僕は真夜中が大好きだ。昼間うるさい、僕自身を弾劾してくる、「僕が」、「僕は」、「僕なんか」、僕、僕、僕……、の連なりが、あっさり消えてしまうからだ。ヘッドホンで、あるいはスピーカーで大音量で音楽を流…

冷えた空の下で滅びるばかりの感情にしがみついた 僕らは何処で繋がれるのだろう?挨拶の中で?それとも大昔の思い出によって? 僕は正しいのか、間違ってるのか、そんなこと、空の方へ全て忘れてしまいたい、 静けさに、青く、青く、包まれて、 綺麗事を大…