短歌

距離と距離と距離

僕たちの世界は全てこの星のこの一小節に包まれている 私からデータが漏れる寂しさの中で蚕みたいに泣いてる 夜の部屋、遠くで犬が鳴いている、犬には昔、名前があった 情報が流れ過ぎ去る音がする過去が未来に消えていく音 文字たちが廃れた朝に手を伸ばす…

薬のない日/夏

もう前が見えないほどの夏が来て僕のふてぶてしい眼を焼いて 嫌い合うことも出来るよ世の中の善の日陰に守られながら 緊張はもうこれだけでいい後はもう許し合う日々だけでいい 進行形で生きている誰もかも嘘と薬をエンジンにして 顔色が悪いと言われたよ、…

隣接する空虚

ここだけが全ての全てじゃないの?って埃の積もる本棚に問う あとはもう好きな眼鏡を買うだけで私の生が終わってもいい 友達に大事な薬をあげました明日を生きる大事な人に 落ち着ける場所がないなら君の不安、私の要らない墓に捨ててよ 震える手ご飯を食べ…

風の箱庭

こんにちは愛の調子はどうですか感情的に生きていますか? 夕暮れが水晶体に浸みていく瞼の裏で揺れるみずうみ この冬をただ生きていて夕焼けをただ浴びていて何か足りない 人生は虹のようだと思います良くも悪くも生きてこられて 錯乱が終わったあとの美し…

狂った世界に幸あれと

願わくば君の世界の片隅に残る微かな笑みになりたい 君もまた夕暮れなどを愛してて夜は涙を噛んで眠るの? 僕の部屋、オーケストラが目の為に鳴る、インクはソの音、壁はファで 街はただリアルな夢を奏でてる僕と奇跡と君を含めて 熱いアスファルトでセミが…

九つの歌

何気ないひとことが宝物です。君がいるこの世界で良かった 君宛てに出さない遺書を書いているいつも迷惑ばかりでごめん 朽ち果てたガードレールが指し示すいつか僕らが生きていた街 文学とギターの海に潜ってる今日また君に伝えたいこと 虹色の銀河の果てで…

春の不在

春と夏、秋と冬なら知っている文字と想像だけで知ってる いつかまた私を発見できたなら今の私に手紙を書こう 愛なんてどうかしている方がいい会えないだけで死んじゃうくらい 完全な無から湧き出る文字たちが僕に満ちてく君に満ちてく イチジクのジュースの…

旅びとの歌

朝焼けと本と楽器と心臓がある場所それが私の故郷 存在が私を滑り落ちていく地球の裏へ活字の奥へ いつの間にここに辿り着いたのだろう空の向こうで心がうたう 歌ってる君は旅びと透明な私の空に青を拡げる 宇宙には観測できない白がある私と君が辿り着く場…

ホワイト・ノイズ

見上げたら空の北から南まで赤い電流鳥の軌跡が 空中で気化し続ける心臓を自殺名所のシンボルとする 青傘の荷が降りるまで嗅覚は骨の墓場に打ち上げられる 段ボール箱の中身はいつまでも存在しない貝の肉たち 憂鬱に侵され切った脳みそが今朝も地面の底を見…

ひえびえと

永遠の高さから降る雨粒を受け止めるため僕は生きてる 深海の大きな流れ青い影、赤い如月ここは春です 見えるもの全てが少女趣味ならば生きる理由も無くていいのに 六弦と鍵盤上で泣いている宇宙の果てとお金の匂い 美しい絵の中の雲、遠い未来発掘された古…

生きていく、理由

目を瞑り青い薬を飲みくだす命の色と反対の色 生きながらえては静かに死んでいく人の全てが可愛い夜中 好きすぎて死んでしまえるまでギターの音を脳に刻み込んでく 小宇宙だけが宇宙を内包し部屋にはポップなチューンが流れ デジタルの音でロックを聴いてい…