短歌

狂った世界に幸あれと

願わくば君の世界の片隅に残る微かな笑みになりたい 君もまた夕暮れなどを愛してて夜は涙を噛んで眠るの? 僕の部屋、オーケストラが目の為に鳴る、インクはソの音、壁はファで 街はただリアルな夢を奏でてる僕と奇跡と君を含めて 熱いアスファルトでセミが…

九つの歌

何気ないひとことが宝物です。君がいるこの世界で良かった 君宛てに出さない遺書を書いているいつも迷惑ばかりでごめん 朽ち果てたガードレールが指し示すいつか僕らが生きていた街 文学とギターの海に潜ってる今日また君に伝えたいこと 虹色の銀河の果てで…

春の不在

春と夏、秋と冬なら知っている文字と想像だけで知ってる いつかまた私を発見できたなら今の私に手紙を書こう 愛なんてどうかしている方がいい会えないだけで死んじゃうくらい 完全な無から湧き出る文字たちが僕に満ちてく君に満ちてく イチジクのジュースの…

旅びとの歌

朝焼けと本と楽器と心臓がある場所それが私の故郷 存在が私を滑り落ちていく地球の裏へ活字の奥へ いつの間にここに辿り着いたのだろう空の向こうで心がうたう 歌ってる君は旅びと透明な私の空に青を拡げる 宇宙には観測できない白がある私と君が辿り着く場…

ホワイト・ノイズ

見上げたら空の北から南まで赤い電流鳥の軌跡が 空中で気化し続ける心臓を自殺名所のシンボルとする 青傘の荷が降りるまで嗅覚は骨の墓場に打ち上げられる 段ボール箱の中身はいつまでも存在しない貝の肉たち 憂鬱に侵され切った脳みそが今朝も地面の底を見…

ひえびえと

永遠の高さから降る雨粒を受け止めるため僕は生きてる 深海の大きな流れ青い影、赤い如月ここは春です 見えるもの全てが少女趣味ならば生きる理由も無くていいのに 六弦と鍵盤上で泣いている宇宙の果てとお金の匂い 美しい絵の中の雲、遠い未来発掘された古…

生きていく、理由

目を瞑り青い薬を飲みくだす命の色と反対の色 生きながらえては静かに死んでいく人の全てが可愛い夜中 好きすぎて死んでしまえるまでギターの音を脳に刻み込んでく 小宇宙だけが宇宙を内包し部屋にはポップなチューンが流れ デジタルの音でロックを聴いてい…

終点

やさしさに満ちた孤独が世の中の誰の鼓動の中にもあって デジタルの宇宙は続くどこまでもあなたが0で私が1で 僕は僕、冷たく弱い、ただの僕、子供でもなく、大人でもない 生活じゃなくて宇宙にいるんだよ誰も他人のようになれない チャコールが紙にこすれ…

光るゴミたちと共に

ただ過ぎる時間に夢を預けてる、崩れる意識、情報の海 将来を考えてない訳じゃない、音楽、僕を傷付けてくれ 戦って得たものなんて捨てちゃって好きなものだけ好きで生きよう 暇つぶしみたいに歌を聴きたいな何でも笑えるようになりたい 人生の終わりじゃな…

悲しみのあと

夕暮れが川の流れに融けていて夕日が眩しくて死にそうで 遊ばれたあとの寂しいいんらんな街の空気を纏う感情 ぴかぴかの鋲が打たれた夜空から降り来る夢を受け止めている 可燃ゴミ不可燃ゴミと選り分けて凧揚げをする火は水で消す 世界中全ての赤を塗り込め…

夏の夜、雲は

ひとりきり誰も私を触らない誰も私を置いていかない 柔らかな雨の匂いを嗅いでいる指に水素を含ませながら 刺し傷をえぐり取られる瞬間の甘い空豆みたいな匂い 離れたい私の身体という空き家から遠くへ行く宛ても無く 狂い咲きし始めた僕の心臓やがては死へ…

死亡通知

疲れてることも厭わず一年中働く君を見ている子犬 精神がちょっとおかしいくらいでは誰も慰めてくれない国 脆い人形を両手で抱くように私を声で包み込む彼 私には隠された場所彼だけがその全身で示してる場所 こんにちは愛の調子はどうですか感情的に生きて…

在りし日の、向こう側で

「嬉しいと悲しくなる」と言う君に僕の最後の時間をあげる 夏の陽がソルトレーク・シティみたいに乾いた僕の心を満たす 三十度傾きかけた横顔に血潮のような笑みを浮かべて 誰よりもストーン・ローゼズが好きと言ったその日に自殺した彼 殺伐とした世の中を…

モノクローム・夏

クーラーの風に冷たいあの感じ夏の感じを思い出してる 陸上は得意でしたが水中の音をいつでも聴いていました ビー玉を口に含んで転がして吐き出すように夏が来ました やまいだれ被せた文字をいつまでも飽きずに見てた九歳のころ くるみ割り人形だけが知って…

モノクローム

大丈夫あなたの場所も空けておく誰もここには入ってこない 人類は苦しまなくていいように本当は出来ているはずなんだ この夜に私はここにいないから夜中の海に融けていくから 日本語の呪術式には嵌まらない道具としての言葉が欲しい 今日もまた死ぬ準備だけ…

インプット・アウト(7×3)

1神さまのいない世界で君にまた会える奇跡を何に祈ろう? 夕立ちが水晶体に滲みゆく瞼の裏で揺れるみずうみ 夏の日に青いドミソが鳴っているガードレールの高いラの音 切なさを泣いてごまかすくらいなら今日を弔う歌を歌おう 夕暮れのオレンジ色の旋律が僕…

塵は塵となり

この星の全ての人が百年の孤独の底に横たわってる どの雨も同じ地上に降っていて同じ色素で地上を染めて 世界とはプレパラートの切断面 脳が繋がる音が聞こえる 出し惜しみし続けた君の全力が君の墓場に降り続けてる 宇宙とは氷の記憶、永遠に赦され得ない罪…

短歌

プラズマの容器に葉ごと落ちていく世界がすべて音楽ならば 集中を春の夜風が掠めてく誤解するなら目次をあげる はからずもペンは銀河を刺している地球の夜と空の約束 一枚の写真の前に立ち止まる夜のトマトとポテトの匂い 血のにおい十四歳になった時初めて…