短歌

短歌いろいろ

この間たくさん短歌を書いていたときに、削除しようと思っていて、どうしても捨てられなかった短歌たちです。あまり出来は良くないと思うのですが、消すのが寂しいので、ここに載せておきます。すみません。 「抑鬱に冷たい藍を」アルメニア・ペーパーの印刷…

光るゴミたちの終点(短歌)

人類がきらきらと死に絶えた日、ずっとブランコに乗って見ていた 憂鬱で空っぽな日の日記には「完璧でした」と一言、笑う 幻滅に満たされて「人が嫌い」と書き殴ってる、人の言葉で 屋上で一人で食べるたこ焼きの一個一個に話しかけてる 焼け付いた道路でセ…

透明なピリオド(短歌)

引き出しの奥のカメラに氷河期の白い記憶を閉じ込めたまま 訳もなく泣いちゃうような感情を旅の私のお守りとして この世には存在しないイメージが廃墟になって続く裏庭 「何で笑いたくなるような曲を流して死にたいなんて泣くの?」 君との距離が離れてく天…

それでも空は飴色に(短歌)

立ちくらみを死と仮定して遺言に付記する言葉「誰も責めないで」 運命は鳴り止まない赤い夜のアドレナリンの豪雨みたいに 負の数が右心房に溜まっててテロを起こすのに理由が要らない ヘッドホンだけを愛して生きている訳じゃないんだ話しかけてよ なにかし…

永遠として(短歌)

ぱたぱたと画面が消えて行く音が宇宙で最後の雨降りでした 今朝もまたケトルでお湯を沸かしてる君の横顔(永遠として) お互いを許す言葉が出ないまま願うみたいに笑い合ってた 生活は血で出来た糸、きれぎれに、繋げて生きる努力をしてる 米を研ぐことも忘…

残りは銀の雫だけ(短歌)

あなたとは付き合いづらい日もあって外では草の葉ばかり見てた 私には何にも無いの、遠い未来から降ってくる言葉以外は 銀色の雫を舐めて純愛を求めて生きる森の鹿たち 忘れたい思い出ばかりで歩いてる花火が割れたみたいな視界 もはや生きていけないほどの…

祈りが届くまで(短歌)

雨の日のコンビニ前の空間で濡れた黄色が点滅してる 瓶入りの雨を透き通らせてまた、世界の果ての夜明けを見たい 生きるには哀愁よりも血が大事。廃墟の底のプールサイドで 音楽の中に飛行機が見える。真っ赤な、光と、明るい、空と。 靴底のガラス、とっく…

ありきたりな愛についての短歌

永遠の青が私の眼を染めて昨日を染めて手帳を染めて ねむってる君の気配と窓の外、埋め立てられたような青空 帰る場所なんて無いよと言うならば私の部屋に住んでくれない? 神様のいない世界でわたし達どこから来たの?どこへ行くの? 食い意地の張った黒猫…

巣穴の中で

思い出の淡く儚いパンの匂い、空気を食べて生きて行きたい 生きている、世界はとても広いから僕の居場所もあるはずだから 中庭に舞い降りてくる星たちをふたりベッドで並んで見てた 宇宙的直感力があったはず、無意味な雨の音の向こうに 朝焼けが全ての嘘を…

電子の国で

死を覚悟したあの朝の太陽が僕の命を揺るがせたまま 「鬼は外」から逃げた鬼が自炊して豆などを煮て暮らしてる村 今日もまたそうめんだけで生き延びた、梅雨の終わりを少し祝った 真夜中が私のために泣いている銀河も屋根も息をひそめて 夢で見た景色みたい…