冷たくなった身体の中で

地球が滅びるとき。
最後の雨に、最後の地が濡れるとき。
不安の種が、咲かないままに枯れるとき。
深い愛情や気遣いの全てが眠りに就くとき。

全てが過去形の中に固定されるとき。
キメラのような化石があちこちに積み重なって、
枯れた森のようになっている。
神さまは疑問形のまま空を満たしている。

冗談やナンセンスだけが、
着地することなく、風に溶けて、
空気を薄い紅色に染めている。
「明日は春」と言う人ももういない。

……、
死ぬことと、許し合うことの、
懐かしい匂いの中で、……

僕は産まれたくなかった。