その位置: ゼロ

 ふわふわ 浮いてる、どこまでも 浮いてる
 私は海の中、どこまでも透明に拡がっていく、

 私は今、肯定している、否定している、うちが外を包む、
 はい、は、いいえを肯定しているし、いいえ、は、はいを肯定している

 春、 選ぶ 到着する 、 と書き放して
 私はとても、トナカイのような目をしていた
 いない いない どこにもいない
 それは私が唯一の 動物だからか
 それともただ一人 思い出せない記憶ばかり思い出す
 倒錯者だからか? それとも全て夢で
 これら、は、すべて 夢で織られた
 血の抜けた街だからなのか


血で織られた街を、血まみれのほうきで掃きならしていく。
好奇心の種が内臓の中心で芽を出せば、
あたたかい冬の中で、散らかった部屋は意識不明になる。
脳を割られて、街は新しい首たちの視野となる。


人間は骨と皮と肉だけど、光の眼差しを持ってる、
いつ死んでもいいように、虹の瞳孔を、
魚の祖先が痛みと共に得たもの。


あの世に行けるかもっていう予感だけで、
この世で暮らすには十分。


意識がとても好き。裏返された身体で街を会話する、
歩く、誰も此処には入ってこない、人、人、人、
其れ其れの独りよがりが、私の頭上をオレンジ色に、

染める、デジタル木琴の音、五感、第六感、
でも私は通常過ぎる吐き気の中、対話と全ての真実の中、
向こう側、嘘を吐く甘さの中、で、

あ、(入っていく)、
土というイメージの深く、平等に……、

第ゼロ番の意識で、歩いている、まっすぐと迷う。


歩いている、、、
あなたは好きに、あなたの方で死んでてください。

……しててください。

 ……してください。

  ……していて……、


――

いつか、ふたりきりと、さんにんめの、りゆうをください。

私に泣く理由をください。

、、


私がなぜ、

こんなに泣いているのか、教えてください。