エイプリルに(2)

薬を噛んで、私はこの身体から流れ出していく。助けなら何でも良かった。別にあなたじゃなくても良かった。でも、薬も効かなくなって、音楽も鳴らなくなったとき、あなたは、私にきっと会いに来てくれる。 全てが私を悪化させる。新しい音楽が必要だ。「生」…

空の両側を知るために

ダウンロードされていく日常。それはまるで嫁入り前のピクニックに落ちた雷みたい。私は継ぎ接ぎだけれども世界は音楽に統合されている。 私が迫害されていることを、私以外誰も知らない。私は赤い、会社へ向かう。そこには私のIDがあり、私の名前を冠された…

メモリアム

緩い陽のなかであなたは私の名前を呼ぶ。その日ガラスは明るくて、私たちは図書館の奥深くで、西日差す野原の芝を眺めながら、未来について話しました。 私は今はここにいて、古いフルートやピアノの弦について思い、ギターの冷たさをガラスのように抱いてい…

秋の午後

秋の午後には、詩を読んで、ギターを弾いて、風景も、人の挙動も、忘れたい。 中原中也だけを読み、ニック・ドレイクだけ聴いて、全てを捨てて、死にたいのです。 秋の午後には、音楽と、詩と本だけを、友にして、ただ空っぽに、死にたいのです。 ただ空っぽ…

夏の夜中

宇宙の果てに、ひとりでいれば、虫の音が、眼の奥底に浸みてくる。 空には人の気配は無くて、 星も何にも語りはしない。 虫たちは、頭の中の波打ち際で、幻みたいに、光ってる。 それは僕を安心させず、 不安にさせもしない。 波打ち際に、寄り集まって、鳴…

孤独

孤独、孤独の中で何が鳴る?私は嘘ばかり吐いていて、夜は洋服の風呂に入る。 自分だけは分かると思っていた誰にとってもどうでもいいことでしょうが感情とは乗船です知らないことは知りたくない 私は私の繭に入っていてペンギンとなって産まれ変わるのです…

言葉の雨

寒い、銀河があるだろう?私はそれに話しかけているんだよ言葉は空から降ってくるみんながそれを浴びるといい私の顔がゆっくりと拡がっていく薄い、銀河に みんなが言葉を浴びるといい言葉は電柱に降り、電線を伝いディスプレイを濡らす私の冷たい指先に文字…

夜の隙間

三本の樹と暗い野球場何もかも本当にあったこととは思えない記憶の扉が開いて暗い、影のような光景が逆光のオルゴールの音色のように そこに新聞紙ははためいて何もかもが思ったより早く滅びていってしまうけどそこを変わらぬ月影が祈るように、溶けるように…

言葉

(夕焼け ここがお化け屋敷なら 私はお化け屋敷のことを愛するよ) 1ノートの頁を捲るたび荒野が見える純真なものは天国にはいない血だまりの中肌を切る風の中 血が乾いていく全てが化石化していく血小板が道標になる天使は傷付いた眼の中 信じなさい、と聖…

私はただの詩のように

私の裸は裸になって受け答えするだけの自動人形だった私は子供の頃からの生の肉になる 心の中でとくんとなる日常その時が流れ続けるといい夏 静かに冷えた 水道の蛇口のように 自分ひとり 誰ともいない生まれたとき一人だって 今もひとり君のいない 私の死と…

宇宙はいつも最後の笑み

1ひとつの魂が消えて星がひとつ増えても、何の意味も無い僕はあなたの存在とあなたと話せる現実だけを望んでいるのに 理想だけが燃えて理想なんて無意味な地上が残るとき寂しさの中で僕は死ななければならない寂しさだけが唯一僕が生きて抱いていられる純粋…

沈んでいく街角

*静けさの通り路が私の中にはあって乾いた爆弾のように活水のときを待っている *世界一有名な林檎が世界一有名な蝶が蛾が 鳥がレーザービームのように宇宙に墜落した Kindleの上の銀河 *山とトマトと怪談話痙攣した鉛筆が無い 無い ナイーブな平均寿命ま…

不思議な、影みたいなものが湧いてきて死ももう遠くなくて、僕は空っぽになる死ぬほど身軽になって、半分天国で生きてるみたいに 全ては思い出に変わる思い出は死んだら何に変わるだろう? 籠の中に入れられた滑らかな鳥そのガラスの目玉のように浅い緑色に…

雨、など

雨が降っていますが雨を雨と感じません私の心は暗くて新聞配達のバイクの音も昭和みたいに聞こえる 何もせずに部屋にいることは罪みたいだでも一体誰に個性があって誰が空を青く煮詰めたりなんかするのだろう個性という青をにこやかに運ぶ人々 恐ろしいので…

ランドフィル

宇宙って感謝することだよね、と言った人が死んで影だけが、有名になって売られている言葉にも値段が付くけれど、言葉はお金では買えない ヒグラシが鳴いているけれどそれは、宇宙には関係ないなんてことは無くて僕は朝から壁に鉄クギを打っては抜いてを繰り…

また夏が来て

ゆるぎなく時は過ぎていくけれどそして私は雄弁だけれどあの日風に揺れていたクモの巣をそのきらめきを私はただひとり、抱えたままで死んでいくんだ いろんなことがあった絶望もしたし、天国を見たこともあった明るい海や、雑踏の中に消えたこともあったし友…

理解されたくなかった

私の墓場まで君を抱いていく電池が切れるまで電線は何処までも奥に続いていてけれどプラグは何処にも無い 喉が痛むけれど誰も私を機械にはしてくれないスパナで私を断ち割れば私は人類になりそれぞれの個性となってそれぞれの不幸を歩むだろう 私の墓場まで…

シルエット

私はあなたの顔が見たいいえ、あなたのその顔じゃなくて誰にも私は伝わらないけれど私は伝えようとしているもしかしたら私は私を殻に包みすぎているかもしれないけれど 枯葉に出会うようにあなたがあなたの思い出に出会うように私に出会って 個性を失うと親…

雨はしとしと降っている山の方から、美しい海の方から会いたさと同時に感情の稀薄さを感じる 「鳥になりたい」なんて馬鹿らしい僕は人間でいい山の方から吹き下ろす夕闇の気持ちになりたい チェロを弾けば声が出せるかといいギターを持ってアンプを泣かせて…

揺れる

寂しさだけを丁寧に集めて孤独の味は太陽にも似て君の前にいるのは孤独な人間だと君に教えてあげたい誰にも気を許さない訳じゃないただ空虚でさ風さえ僕を避けて吹く Sugar, plum, Fairy. 君にも13歳の時があった 勝手に融けていく夕陽沈んでいく時計 悪夢を…

in future

音楽が始まる。見過ごしてきたものを、ひとつ、ひとつ、記憶は、いつか逆流するものだし、私は私のふりをしていたいつかの私以外なのだし、私は、雨の時間を浴び続けている、灰色の、波。未来を誰よりも早く弾きたい私は、赤いパッケージの煙草、赤いお酒、…

sign_A

眠ると眠りの底に拡がる笑いの曲、全ては私の棺桶となるために存在しているのだ、螺旋状になった、壁紙を這い蹲っていく、全ての煙は上に上がり、全ての存在は下降し拡散する、あなたはただここに居ればいい、あなたはただここに居ればいい、「あなたは必要…

春、未明

季節は変わりゆく私の細胞は消耗していくDNAはいつか光に出会うだろうか?それともDNAが天国なの? 痛みは嬉しいです今日の痛み二十歳の人とはここでお別れ二十五歳の人とはここでお別れ 夜中には西の西の方に夢屋さんがあって子供たちは高い高いところにい…

夜中、目が覚めて書いた詩

この頃、鬱屈することがなくなりました今、これを書いているのがお気に入りのペンで今、僕の手の中で温まっているこのペンがいつか友人の手に渡ればいいと思います 小さな、静かな、眠りに触れるあと五年、あと五年なら、生きられるかもしれません白い、小さ…

始まりの終わり

連れて行かれる。記憶には無い場所に。当たり前のように、私たちは、そこでは笑っていた。忘れてしまった夢の中で私はあなただった、分裂した水鏡が幾つも並べられてて。冷たい月の大地には、青白い草を電子線で出来た胃で食む羊がいて、恐竜の時代から私た…

21

未来は青く冷たい未来は青く冷たい未来は青く冷たい過去は赤茶けて乾燥している過去は赤茶けて乾燥している過去は赤茶けて乾燥している今日はあたし頭が冷たいから、お腹の虫の行く先は、見えない冷蔵庫の裏? そんなものは無い、となりの私の家のひとが発掘…

エンド

生まれ変わったらあなたは悲しくて泣いちゃうよ。餓えを知らないままでずっと、私の中で眠っていることも出来たのに。心は一度溶けてしまうと、もう、一緒なままでいることは出来ない。ねえ、ねえ、ねえ、私は何をしたいの? 私は、何をしたいの? 終わった…

新しい故郷

何もかもが手に入りそうで、何も手に入らない。オルガンの音は身に染みる。もちろんハモンドオルガンだ。一番地味な宇宙で死ぬ。 ここは僕だけが知る世界。 秘やかに自分の世界に戻ってくる。僕の詩は僕以外には分からないところから始まる。 突然,甘い。硬…

冷たく、静か

現実、げんじつ、げんじつ、今朝、私には死後の世界が、まるで魚の影のように私の心臓を染めてくるのが見えました、 ねえ、白昼、私は薬の瓶を齧りながら、 ガラスの海で、紙標本を捲りながら、 笑おうと努力しました、濁って空気が青くなるくらいでした、 …

青い墓場

ぼんやりした渡り廊下を渡っていく。震えながら次の歌を待つ。私は私を消す技術に長けていて、あなたたちの細胞を帳消しにするのは夢の中でだ。 言葉に飢えている。可愛いラッコみたいに。ピンク色に。言葉に飢えている。そしてその飢えを私は、胃の中の歯の…