夢と標識と浮遊の、街

カーテンが揺れている。憑依されたように。心がリズムに合わせて踊るように。残酷なくらいのリアルがこの向こうにはあるのだろう。僕は一秒一秒を食べて生きられることの僥倖に浴して生きているけれど、グループホームにもデイケアにも行かないし、最後の煙…

ガラスのコップにまで許しを請うている。木の下で眠る夢から目覚めると、ゲームの無い世界にいて、僕の半分は木の下でまだ湖を眺めていた。全てがゴミのようにも見えたし、全てが寂しそうにも見えた。僕のせいで。僕には何のチャンスも巡ってこないだろう。…

花火

赤、青、緑、、、青、青、青…… 僕は君に届きたいだけ。でも僕は君に永遠に届かない。君はメールを透ってやって来る、その行間から、雨は降り続け、楽しい時も、悲しい時も、僕は酸性雨の中にいる。 海から選ばれ、空から選ばれ、僕は花火の最後の一粒。 僕は…

カプセル

ガラスの時計。カプセルの中に、いつまでもコインと枯れ葉。 脳波が虹のように垂れている。先ほどまで木の椅子に座っていた看護師の、やわらかな脳波が、夢のように、歌のように。 小石の上にはいつまでも枯れ葉。石盤の上には置き石。幾星霜の嵐、春、逆さ…

青い蜘蛛

青い蜘蛛紐を綴じるように目蓋を閉じて空を眼窩に閉じ込める、そこにお店を開けるように大好きな、銀色の、音楽を流せるように ディスプレイで、ちかちか光ってるけど、それは違う私のじゃない、あらゆるアニメやCGが、私に何かを伝えようとしているけれど、…

言葉では見えないけれど

言葉にならないことの多さ。そしてそれが、言葉の豊かさ。 まるで眠っているみたいに、夢の中でタイピングしていたい。 困っているのはあなた?、それとも僕?ベッドの上、僕は無限の数の住人で、一人で、たまに宇宙の全て。 何も見たりしない。盲目で、脳に…

人里離れた木の家でタイプライターで小説を書いていたい。 静かに、小さに、ひとり、ひとりで。 私 忘れられたピンボール・マシン白黒写真にだけ残ってる兄弟の、白骨化した遺体みたいに 静か 私はここにいるヘッドホンの中に ヘッドホンは、最強の武器異世…

個人主義

ゆっくりと、ゆっくりと、ゆっくりとカーテンを閉める何かを忘れているから、カーテンを開けっぱなしにはできないぐったりと悲しい思い出全ては繋がっているこの鉄がこの鉄であるということは宇宙の果ての鉄もこの鉄宇宙の始まりと共に全ては生まれたここも…

LEDの夕暮れ

生きていることの実感は美しい美しい、は生きていることの実感世界には100億人もの人々がいるらしいもう死んだ人も合わせれば.ということは100億もの世界があるということだろうか?全てを知りたい私の世界の、この世界の、そして100億の人々の世界の全て全…

非常ドア

何も、かもが、生きてる? 生きてる?、目撃してると泣きたくなって、仕方なく笑う私がいるだけ。言葉たちが並んでいく。言葉にならないことの総体として。世界は私の命で精一杯なのですよ。あなたはあなたの感情で……だからもう、眠ったりしないで。究極には…

ノイズ

轟音よ僕を削り取ってくれ1940年からスピーカーのコーンは紙で出来ているらしい僕の耳は痛みで出来た細胞ヘッドホンの主成分はアルニコ磁石でヘッドホンの中の世界.僕の脳は鉄分と真空管で出来ていて、橋の上、橋は流れ、私の憂鬱もミキシングされる. 私は…

夢で終わりなら

飴玉みたいに心細い、強さ。パソコンは何日もシャットダウンしたまま、電線でかろうじて繋がっているこの部屋。 LEDの電球色ビートルズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ニック・ドレイク、レコード、そして真空管アンプ__少女たち冷蔵庫の庫内灯み…

山に沈んだ重たい木々たちは、夜の静けさの中で、ゆったりと眠りを眠る。 そして、それにしてもあまりに僕は僕自身なので、昼間の僕の思い出を、誰かの名前と取り違えてしまう。 ああ、山はいつだって僕を誘う。眠る鳥の夢は、僕を映す鏡。 僕はいつだって僕…

夏が来た。夏の空気。世界宇宙、夏、夏の空気は透明そして帯電してて細胞を、涙で満たす. いつ起こるか、それは分からない 衝動、壊れる前は、「いつ」は来ない なのに一秒は、痛みの鼓動 脈打つごとに振幅は揺れ大きくなり 世界は世界を外れ 私は私を外れ…

武器

ああ春の息春の春私はあまりに遠いので私自身もまた、誰かの武器なのだろう 心と身体と感受性をキーに込めて私は私の、遠い、遠い、遠い私を正確に撃ち抜くのです 死後が私の弾丸のありか心以外は文字も身体もピストルも同じ 私が興味あるのは会いたい人に会…

祭り

寂しさの祭り蛍や魚も集う祭り金色の土管の周りで、昨日の狩を祝う夕暮れの中で、灰色の泉に沈んでいく するめいかたちが泳いでいる靴を脱いで入水する人たち 私は国語辞典を抱いてもう長年、不眠症に苦しんでいる寂しさは負けないので、招かれるけれど みん…

明刻

辛いから書くなんてね刻むように、刻むように。 眠気を睡眠薬で飛ばして、悲嘆を待つ。 外では拍手、人の声、犬の声、空の動物たちの声! 何も無いことをこんなに夢見たことはない。エンジン音、エンジン音、電気の自動車の音。何日も起きていて、しかし、こ…

無題

写真集に手を翳す.――いつまで生きようというの? 活字が好き。印刷された文字が。 レモンの輝き私の用例・悲しみ、ロマンチックな死、何処で売っているのか逃げ場は逃げない死は。

丸を描いて指を入れる私をゴミ箱に捨てるように 天国には行かないけど帰り路はちゃんと知っている 帰るだけ私は帰るだけでいい

ミルキーウェイ(未完)

1ミルキーウェイ暗い空の中で、地下鉄みたいに、ギターアンプの真空管が、赤く灯っていた。ネズミも、ブルドーザーも、クミンも、歌も音符もウスバカゲロウも、みんな空へ登っていく。苺の野原で、右と左が大きな鳥の影に混ざり合っていく。そう、空には苺…

境界線

自分が鳥だったら、なんて思わない。鳥たちはただ、僕に歌いかけるだけ。青い、空の球面のすぐ内側を、透明な青になって飛びながら。 僕は怖い。全てが。僕の部屋の中で、僕は社会だ。ヘッドホンの中、そこは僕のパニックルームだ。僕は波のように生きていて…

天国

僕は、僕が火ならよかった。 生暖かい、パンの匂いがする。幼少期の匂い。 全ては、凍り付いている。凍り付いていて、透明だ。 廃墟では火が燃えている。いつかの日の亡霊のように。 雪の結晶が落ち葉のように張り付いている。壁に、窓に、空に。 誰が世界を…

永遠の日々

青い鳥が虫をひと噛みするごとに彼の目覚めは海底を救う 僕には癌が必要だろうか?癌には僕が必要だろうか? 今は昔、泣き崩れたお婆さんと、魂の引き裂かれたお爺さんがいました。セダンでお墓に乗り付けるたびに、彼らの息子の髪はもう伸びないことを思い…

僕の形を

手を繋げるなんて嘘だこれは、僕の手じゃないだけど、僕は遠い機械のような場所つまりこの身体で、蜘蛛の手のようなこの指で遠い場所から巣を織っているその光を見てください 僕の意識は殉職している遠い、溜息のような、湖のような場所ででも、僕の織る巣は…

シューベルト、みたいに

ただ一曲の歌を弾いてこの人生を終わらせたいそれだけでいい ううん、それだけで完璧だ 寂しい孤独な誰かの記憶あるいは鳥の生そんなものでこの地球は出来ていて 寂しさ以外の全ては梅の花の色をした土の上の影みたいなものだ だから私は何にも要らないおど…

音色

霧。キリ。真っ赤な霧。みな傷口を剥き出しにして歩行する融解しながら、靴底と風の硬い感傷を、軽く人間であることを忘れかけて、白く 集団的に、左脳も右脳も充血して人間と飛行機の間、痛い痛い悲しい音楽をヘッドホンの中で切り刻まれて、泣きたい人だけ…

孤続

0歳前掛けと椅子が僕の麻薬 4歳意識というドラッグの服用 10歳僕の耳は僕の眼となり 12歳過去はいつも宇宙の始まり 16歳過去の全ては世界の終わり遠い無の歌だけが 19歳海の底の花 23歳過去の全ては未来の記憶/夢 33歳ゾンビは過去の習慣に倣いスーパーマー…

孤独

遠い鐘の音が鳴って、山からは猫が降りてくる。僕は孤独しか知らないから、感傷で生きてても何も悪くない。 夜の底、家々が点滅する中を、君と、洞窟の中みたいに歩きたい。花びらみたいなポエムをノートに書き付ける、少年みたいになって。 身近に咲く花の…

*1指先が笑いたくなるような休日。カーテン越しに花の匂いがする。テーブルの前で、僕は体温を感じる。昔から変わらずの歌の中で、僕は人間を喜び、人間を学び、相変わらずモノクロでしかない僕を喜んでいる。 今でも僕は僕に訊いてみる。「今すぐ死ねる?…

Location

私は鳥籠が嬉しい。金網越しの空や、きちんと掛かった鍵が嬉しい。中で音楽を聴いているとここは、私専用の小さな天国のよう。 音楽のリールが回ると、時間は逆流して、金網は溶けて水となり、物語みたいな私の過去が再生される。過去の記憶、それだけが意味…