1
不思議な、影の力が湧いてきて
死ももう遠くなくて、僕は空っぽになる
死ぬほど身軽になって、半分天国で生きてるみたいに
全ては思い出に変わる
死んだら思い出は何に変わるだろう?
籠の中に入れられた滑らかな鳥
そのガラスの目玉のように
浅い緑色に、僕は生きていきたい
片付ける、
宇宙の思い出の数々を、
両親に買って貰った思い出と記憶を、
夢の中で出会ったモノクロの人々を。
どこから、
どこから僕の言葉は出てくるのだろう?
片付けていく。
理性を、生きる意味を、有名になりたいという熱量を。
感情に従順に生きていく。
美しく目映い天気。
この空は僕のもの。
虹のおかげで生きているようなもの、
虹は全ての世界にかかっている。
2
ユーカリの葉っぱみたい、奇麗だね
と昨日言ったけれど
ユーカリの葉っぱなんて本当は見たこと無いんだ
でも、嘘を吐いた訳じゃ無くて
終わりを感じる
終わりは全ての始まりだ
僕はここには生きていなくて
父も母も死んだと思えて
それが喜ばしく思えるくらい
僕は太古に生きている
けれど半分は生活していて
両親の不仲なことでさえ
半分はどうだっていいんだ
ユーカリの葉っぱのように、この世は奇跡だ
奇跡でどうにかなりそう
父と母は空を見上げていて
僕はコンクリートの壁を見詰めている
3
この世の無価値を信じていて
言葉の故郷はこの世界には無くて
世界の外にも世界があって
その世界は、
言葉にも、音楽にも
属していない
でも
ほんの少し、触れられる
きっと
そう信じてる
どこまでも、どこまでも、どこまでも
続いていく、この場所と、この瞬間
そして僕の永遠の内面
原子爆弾も、ヒトラーも
その内懐かしくなる
でも世界には倫理があって
倫理とは人工的なものであって
僕は人工的なものが好きだ
好きでなければ
生きていない
幸せなんて求めていない
僕は答えを知りたい
僕は殻を持って産まれなかった
だから自分を焼いた
何もかもが虹になりますよう
そしてこの秋の虫たちの声の中で
今この僕が、今この僕であれますよう