虎の為に

鉛筆が折れて、その音から
ディスプレイに映し出された、冬。
あなたは言いましたね、
現代人には本当の夜が無いと。
私はみんな嘘だって知っているんです。
夜も、朝も、憂鬱も、みんな。
白いLEDに照らされて、
私は能面みたいに、
先祖返りして、
ピアノかチェロかギターを、
例えば虎の為なんかに弾きたいと、
思いつつ生きてきました。

結局のところ、夜は自殺です。
あなたは虎の声を聞いたことがありますか?