2023-05-15 雨 詩 6時30分の雨が降る死者としての百億の昨日とひとつの今日、全ては過ぎ去る。 そんなことはありえない、と人は言う。どうして?、と僕は言う。だってありえないんだから、と人は言う。どうして?、と僕は言う。 雨が降る 雨が降る僕は棺の中にいて、水のにおいを嗅いでいる。 昨日のことだ、と人は言う。 僕には別の人生のようだ。 昨日だよ、と人は言う。 ……そして笑う。 7時1分の雨が降る、僕は棺の中。水のにおいを嗅いでいる。