あなたがいつか見る世界

あなたは落ちてくる数百の、
数百億の、情報を見上げる、

堆積した、雨。

きれいごとを口にしながらあなたは笑う

(呼吸の中で日々を積み上げていけ)
(僕の願いは、現実の光を透過して)

あの光りは、どこからやって来たんだろうな?

卑屈な街の中であなたは、
笑いを取り上げてはまた、それを生活の箱へと戻し、
言い訳と、言い訳をしない理由の中で、
安定剤を飲んで、
いつか見る夢をずっと悲しんでいる、

正常正常正常正常正常正常正常正常正常正常正常正常、
正常な毎日、正常な毎日の生活、正常で不健康でまともな、
あなたの憐れみ、喜びを、指先でつつくと、
またどこかで誰かが……

僕は枯れていく一本の木ばかり思っている、
そこに差す陽と、枝の影、僕たちひとりひとりが抱えた深海と、
写真に収められ、折りたたまれた、花畑。

僕たちは光を探している。いつかまた、思い出が落ちてくる、
しまわれた花畑に、また陽が差すときを、ずっとずっと
待っている。

悲しい