揺れる

揺れる。時計の針が飛んで、私は飛んでる私を意識する。
軽蔑する。机の下で眠れない。

魂をよく見たら、汚れているかもしれない。いかれていたかも、しれない。
ペンを電灯に翳せば畝が見えて、太陽を凍らせた斑点が見えて、
肥沃の土地に浮かぶゴーストのよう、じれててたのかもしれなかった。

ぐっすり眠れれば、急な用件にも対応できます、
刹那に融けていただけかもしれず、
有名な犯罪に犯されていただけかもしれないです、

遠回りしたはずの風景は、……手放していい……、ここにあるから。
よく眠れればいい。笑っていけるなら、いい。
私は半分、壊れる、けど、
君の名前は、嫌いじゃないから、好きでも、いい、と、思っているから、
君の存在に、届きはしないと、思っては、いないから、
腹立ちまぎれに、不意にしないと、祈っている、から、
私の半分は、壊れてて、あなたの、端に、届けば、いいと。

「君は何だって割るんだね」
「あなたこそ時間を割るでしょう。国だって天地だって、人との境だって、簡単に割るでしょう。言葉によってあなたの世界から私を割るでしょう。割れないものを、ものとして割るでしょう。病気を健康から割るでしょう。平均点を割り出すでしょう。私を私から割り出すでしょう?」

私は揺れたまま半分が落ちています。

眠れれば、雨も、ようやく降ります、雨に、なるから、
何も感じません、感覚の不在を、満たす、何も感じないから、
温度はやはり、寒いくらいで、
揺れる一日を、待っているから、回っているから。

揺れているまま、纏まらないから。
……