2023-08-22から1日間の記事一覧

祭り

寂しさの祭り蛍や魚も集う祭り金色の土管の周りで、昨日の狩を祝う夕暮れの中で、灰色の泉に沈んでいく するめいかたちが泳いでいる靴を脱いで入水する人たち 私は国語辞典を抱いてもう長年、不眠症に苦しんでいる寂しさでは負けないので、招かれるけれど み…

*1指先が笑いたくなるような休日。カーテン越しに花の匂いがする。テーブルの前で、僕は体温を感じる。昔から変わらずの歌の中で、僕は人間を喜び、人間を学び、相変わらずモノクロでしかない僕を喜んでいる。 今でも僕は僕に訊いてみる。「今すぐ死ねる?…

私はもう、何も要らない。ウォークマンに、遠い、遠い空を入れて、病院の屋上でギターを弾いていたい。空の白い魚を釣るように、電線に永遠を見るように、ただ嘘に塗れたこの世界で、与えられた指と、歌の感触を、小さくなって確かめていたい。私の存在の儚…

カーテン

揺れる、揺れるよ、カーテンは揺れるよ、揺れる、いつまで揺れる?孤独な僕の、この部屋で 全て幻想なのだとしても今日吹く風の清らかなこと 僕は僕とて不安が多く薬を飲んで、ごまかして 何にもなさが清々しくて終わりが僕の新しい門出なのだと信じますけど…

秋の午後

秋の午後には、詩を読んで、ギターを弾いて、風景も、人の挙動も、忘れたい。 中原中也だけを読み、ニック・ドレイクだけ聴いて、全てを捨てて、死にたいのです。 秋の午後には、音楽と、詩と本だけを、友にして、ただ空っぽに、死にたいのです。 ただ空っぽ…

揺れる

揺れる。時計の針が飛んで、私は飛んでる私を意識する。軽蔑する。机の下で眠れない。 魂をよく見たら、汚れているかもしれない。いかれていたかも、しれない。ペンを電灯に翳せば畝が見えて、太陽を凍らせた斑点が見えて、肥沃の土地に浮かぶゴーストのよう…