私は、空を置いてけぼりにして飛ぶ、
笑ったままで、
息を止める、(血が乾いていく
息を止めて、
私の指先の奥から、別の生が、別の命が
始まっていく、
想像して、
想像の、
別の歴史の中で、
(感覚は眠り
の中へ
でかけて行く、昼も夜もまだ産まれない、あの
あかるさの中へ)
ねえ、部屋は広すぎるし、
空は目映すぎる、目蓋の裏側には、
海があって、いつも黄色く遠く
震えている、呼吸を重ねるごとに
私の裏側は、乾き、
世界の表面となる
ひとくち ひとくち、噛み締めながら、
夜を嚥下していく、私の存在はまた
幸福で満たされて行き…、
笑いを追い越して、羽もなく