1
何もかもがひどく冷たい
ここは花の中?
あなたの心には都市がありますか?
あるなら公園を二つ、三つ
増やして行けば
私たちはきっと、この壁の向こう
架空の王国で
その滑り台で、砂場で
遊ぶことも出来ますね
……?
2
僕の表向きの本性は自虐と自己嫌悪だとも言えるでしょう
僕のギターと、本と、手と脳と
喉や身体が古びていくのが気持ちいい
吐き気もするし、楽しくもないけれど
嘔吐しながら、薬を飲んで
その為に、死ぬのもいい
何もしたくないし、もう
いい顔もしたくないんだ
3
そして僕は、モノクロの翼を拡げる
黒い翼を折りたたみ、白い羽を空中に散らす
黒と白は全てだ
赤くらいはあってもいいけれど
黄色には我慢できない
「ああ、素晴らしいな」と好意的な幻が言う
「僕が言葉を使えて、君がそれを聞いていてくれるのは、
あまつさえ感心までしてくれるなんて……」
……そして僕は死にながら初めて草を摘んでいた
草の温かさを感じるのも
草と空とが同じであると見えたのも、初めてだった
僕は死にかけていたが、死にはしなかった
死ぬ前の一秒は永遠だった