残像

僕は僕の知らない表情を浮かべていたから、つまりそれは僕じゃなかった。

あなたは拡い葉っぱのようだった。まるで紙幣みたいに、思い出みたいに揺れていた。
影の中で、
あなたを、僕は誰としても読み取ることが出来ない。

自殺は、道路の上で、まるですみれ色だ。そこら中に咲いている。

あなたの話はいつも、名前、についてのこと。僕は記名して、
あなたは描かれた名前の四角さに、いつもとても眩しい顔をする。
(そしてまた僕は上書きされていく)僕は、
とても自由。僕は自由でそして、
ここにいる。

煙草を吸ってて、歩きながら考えながら、笑いながら眠りながら、
怒りながらそれでも僕は何だっていいって顔をしながら、
深呼吸してると足と口裏は、それから体温は、
眠りの中で僕たちの日々の甘やかし方は
温かくて無口で無意味で楽しくて

暗くて
常に見えない方がきれい。