奏でる2

にんげんを、二度とクリックで変換出来ないので、
一度きりの人間を、二度えいえんに愛することなど出来ないと、(呼吸の変速した枯れた樹脂、光る、皮下で)
DNAの、眼に見えない透明さは、アリの嗅覚で史前から既に愛されて/いた(った、
神の無関係さであり続けてきたんだ、

私たちの無垢な笑いは、雨のしたで部屋のにおいがする、煙草と
博物とドラッグの入り交じった、やわらかい骨のはくせいの、内部のネジの
設計図の、宇宙の始まりの、しずかな、生まれたときからの
におい、まち望んでいた、雨、(雨々/降ってこい、高いところから、

「言葉は、僕が君を否定しようと、発光した皮膚」
「そこへ、君は埋もれていく、事務処理的に、君は昼間食べた君自身を、
 排水されていく清潔さを、排斥せず美しく蔑視していく、軽々しく、
 僕は僕の内に(君は君の内に)、目の奥の数センチの実証的な非距離に、
 擦れ合わない永遠の距離があって、へだたりよりも無神経な、
 夜から、設計図を手作業のような軽率さで、取り出してって
 僕は遊び、君は街を夢見る(ところで飛んでいったのは誰?、」
「光は、ソクラテスの時代の二股ソケットから未だに放たれず、
 僕たちの天井に、影のような染みを残したまま、
 その下でガラスの瓶と死んだ魚を並べる僕たちは、
 生温かく、光る可能性を秘めた、数を遊ぶ(もうすぐ死ぬことのジョークの手本、
 目の痛い、電子線の試験体、(細い言葉、はみんな実体験、で、
 (ええ)、それだけ」

死んだ人間を思い出すとき、楽器は明るく敏感に、音符を離れて
過去を、訪ね尽くし、光が水と、区別の付かない曖昧さで、
僕は何時間も呼吸をしていなくて、植物はみんな死んでいて、
祝福の、神経には届かないエネルギー、そんなものを、
待つことが、思い出すことが、段々、だんだん
錯綜していく、夢の時計の地軸の回転の方向性には
僕は死んだ僕の、渇望のやわらかさが見えない、
得体の知れない、未来の静かな訪れに、不安に直線的な輪郭を、
与え続けること、それだけ。