どこかで明日が

視界が、壊れてしまった、
味のしないジュースを飲んでいる、
誰も隣にいる感触がしない
私は街外れで明日を迎えている
私は街外れで今日を終えている

空は記憶喪失の色を、
見えない虫の羽音で知らせる、
私の内蔵は赤くて重い、
「誰も私を愛していない」
(そうだろうか?)
「どうだろう」靴底に、
虫の羽音、どこまでも
壊れた自販機、自販機、自販機…

病院に来る、
死なないことが生きることの秘訣、
誰も私を直視しない、
死なない明日を保障するための通院。

明日は来る、
今日世界が終わりでも、明日世界が終わりでも、
相変わらず信号は瞬き続ける、

「誰も私を愛していません」
「そうですか?」
「そうです」
「誰もあなたを?」
「誰もがです」
「きっと、その通りなのでしょう」

私は神経の非効率に従って、薬を投与される
世界の外れに不法滞在する

誰も私を直視しない、医者は定義し
注釈に笑う、私は笑った私を
ボールペンの先で無限に潰したい、
私は笑った、私は笑った、私は笑った…

ヘッドホンを着ける、

どこかで明日が始まる、
どこかで本当の明日が始まる、
きっとどこかで……