僕がいて

木立の中で昼のウィスキーを飲む。
犬がとても寂しく鳴く。執拗に、悲しげに。
僕は何もかもを感じる。
電線が冷え切っている。

ち、ち、ち、という音がして、屋根から雨粒が落ちる。
僕は急いで眠ろうとする。
酸っぱい草の匂いがする。
昼間のぬるいウィスキー。

どこもかしこも寒々しい。
黄色い看板。
全ては、遠い記憶。
昨日の、夕食だって。