1
会いたい気持ちを代弁してくれるのは、
ビデオテープ、
寒暖の差、
秋に吹く冷たい隙間風、
虫の声、
ずっと大切にしてきたいくつかのもの、
私は私であって、
私の身体じゃない、
ひとつひとつの物たちが、ものたちの影が、
服が、服の皺が、
愛おしい。
2
届かない光について歌いたい。
既製品について。
盗品について、
それから、
ただの私について。
3
見えない翼が痛い。
4
神様が、私の無意識を照らす。
ここは王国。
石くれの王国。
赤い、ダウンジャケットを着て行く。
雨みたいな空模様。
全ては光っている。
手を合わせて、
祈りをあげる。
もし、祈りが言葉になるのならば、
感情以外
すべて
捨ててしまえる。