カプセル

ガラスの時計。
カプセルの中に、いつまでもコインと枯れ葉。

脳波が虹のように垂れている。
先ほどまで木の椅子に座っていた看護師の、
やわらかな脳波が、夢のように、
歌のように。

小石の上にはいつまでも枯れ葉。
石盤の上には置き石
幾星霜の嵐、春、逆さまの感情。

石の卵のように古い、桜の白い、写真の下で、
笑っていた私とあなたの、今はもう
読み取ることの出来ない、石碑の文字。

いつか見た路に、黒と白を、
コントラストを付ける。
路は何処までも延びて、
私たちの息吹となるガラスの山がある。

石の卵、石の卵。
いつまでも産まれない。
空気は絶えて、
笛も産まれない。

コインと枯れ葉から小さな泡。
秘かに籠もる私の細胞。
(そうっと銃を持つ、いくつかの手。指。骨。神経。)
電子墨のような脳波、紫、白、虹、虹の色。

気紛れな、太古の眠りに眠れれば、
この部屋の、最後の夕焼け。

やっぱり、産まれるのかもしれない。