日記

6月15日(水)、
夜、12時に寝て、朝6時に起きる。理想的だ。

ジョン・レノンの『Imagine』も、長いこと新しい「The Ultimate Mix」というので聴いていたのだけど、ミックス前の音源を聴き直してみると、そっちの方が聴きやすい、と感じたので、ミックス前のに戻した。新しいミックスは、概ね楽音が強く鳴りすぎていて、一聴すると、とてもいい音に聞こえるのだけど、聴いていると割と疲れる。
僕はアーティスト毎に、聴いた曲の回数を数えている(そういうアプリがある)のだけど、『Plastic Ono Band』と『Imagine』の再生回数が一端リセットされたので、ジョン・レノンの曲の再生回数が、大幅に減ってしまった。まあ、これからたくさん聴くだろう。ジョン・レノンは好きだ。自分の心の故郷、という感じがする。ビートルズも、もちろん。音楽に嵌まったきっかけがビートルズ、特にジョン・レノンだった。本当に本当に、一番最初、音楽って素晴らしい、と思ったのはポール・マッカートニーの作曲した『Yesterday』を本当に美しいと思ったからなのだけど。それからニック・ドレイク。こんなに美しくて、孤独な音楽を、僕は他に知らない。けれど、ビートルズジョン・レノンは、僕のホームという感じがする。

音楽は、子供の頃から聴くのがいいと思う。ただし、僕は別に誰しもが音楽を(付け加えれば文学も)好きにならなきゃいけない、なんて思っていない。何十年も掛けて、音楽は脳の神経を組み替えていって、特に可塑性の高い子供の頃の脳には、音楽は、多分大きな影響を与えるのだろうと思う。僕の頭の中には、音楽を楽しむ回路が出来ている。音楽に自動的に反応して、音楽に没頭する、脳の、神経の、回路。10歳から音楽漬けみたいなものだけど、本当は3、4歳以前から、出来れば産まれた瞬間から、音楽を聴いていたら良かった。音楽の中で細胞分裂していたかった。音楽の趣味は、一朝一夕に身に付くものじゃない。音楽を聴くのに一番大切な要素は、感受性よりも、音楽に対する愛着心だと思う。郷愁のような心。ノスタルジーや感傷性ともまた違う。ビートルズジョン・レノンニック・ドレイクヴェルヴェット・アンダーグラウンドホワイト・ストライプス……みんな十代の頃に聴いた音楽だ。長年、僕は音楽が聴けなかったので、僕の音楽回路は23歳の頃から10年間あまり変わっていない。歳を取って、段々音楽が分かっていく、って素敵なことだ。

私は私の不安定さが嫌いだ。

昼、30分だけ昼寝する。昼寝の習慣はとてもいい。

夕方1時間反眠る。結局、今日は8時間寝た。

昼寝をしたのは、眠かったから、というより嘔吐感があったからだ。この頃、元気なのだけど、煙草を吸うと気持ち悪くなることが多い。単純に量が増えたのと、薬を多量に飲んでいるせいだと思う。

夜、とても暗い気持ちになって『花と論理』という詩を書く。暗いときに暗いことを表現するのって、今までの僕には難しいことだった。この詩が暗いのかどうかは分からないけれど。

 

6月16日(金)、
昨日、夜の10時過ぎに寝て、朝4時に起きる。ひどい夢を見た。悪夢ばかりだった。一つは、僕がエボラに罹った夢だった。でも、それはあまり悪い夢じゃなかった。もっと悪い夢をいくつか見た。

朝5時に、あまりに眠くなってしまって、結局寝てしまう。午前11時にやっと起きる。悪夢ばかり立て続けに見る。

今日たくさん眠ってしまったのは、多分、気温がぐっと下がったからだと思う。本当に、常夏の国に行けば、僕の鬱なんて完治してしまうのかもしれない。

午後、とても暗い気分になる。

何故、人の気持ちが分かるような気がするのだろう? 何となくその場の空気が分かる気がするようなのは何故だろう? センスって何だろう? 僕は何処にいるのだろう?

夜、僕は僕自身を騙していると思う。恐怖に雁字搦めにされていて、必死に逃げ場を探している。自分で自分を善人だと思い込めば、常識的な人間の世界に逃げられる気がしていた、、気がする。悪人だと思われて、ひとりぼっちになるのが怖いのだと思う。僕は、人並みの感情を持ってないかも知れない。「自分」から一歩外に出れば、楽になれる気がする。好きなように振る舞うことは出来ない。けれど、だからと言って、自分の好きなことを、好きじゃないと思い込むことも出来ない。自分を騙し切ることは出来ない。僕は、例えば財布を拾ったら、すぐに交番に届けるだろう。それは僕に善意があるからじゃなくて、社会に善意が存在することを実証したいからだ。それから、財布が戻ってきた人は、本当に嬉しいだろう、と思うからだ。単純に、殆ど手間も掛からず、人が喜ぶなら、そうした方がいい。僕のことは忘れて欲しいけれど、嬉しい気持ちは忘れないでいて欲しい。でも、匿名で届けたりはしないだろう。喜ばれると同時に、感謝されたいから。想像じゃなくて、実際に財布を拾ったことがあるから分かる。僕は今まで2回、自転車を盗まれたことがあるけれど、困っただけで、別に怒りも何も湧かなかった。1台は、警察が盗んだ犯人を見付けて、連絡してくれたのだけど、僕は心底取りに行くのが面倒で、その人に自転車をあげてください、と言ったら、警察の人はとても困っていた。

優しさを身に付けると恨まれる。好かれようとして心から献身的になると、嫌われて面食らう。かと言って、効果的に、計算高く好かれようとすると虚しい。それなら嫌われる方がずっといい。何故、人は人に好かれようとするのだろう? 分からない。分からないけれど、僕もまた、自分に嘘を吐いてまで、人に好かれようとしている。そして段々、自分が嫌いになっていく。