プラスチックの破片

窮屈な寂しさ
心臓が絞り出されるような
ドラムの音に合わせて
銀色の血が体内で光るような

世界中がコードで繋がっていればいいのに
それとも私の血管がBluetooth
君の静脈に直接繋がっていればいいのに

雨を聴くと、私は雨になる
言葉が、君の天国を捕らえてくれればいい
私には、……地獄巡りしか残っていないとしても

一人きりの三階
一人きりの地上の奥
優しさの、ほとり

  一人きりでコップを眺めていると
  コップの世界が完成する

壮大な独り言
涙を身体中から流す
デスクとベッドがあればいい
この世は全部宇宙なんだから
この世は隅から隅まで
全部宇宙なんだから

  涙を世界中から流す
  世界中がcodeで繋がっている

ここは夕焼け? それとも朝焼け?
ただ枯れ葉を踏むリズムだけが聞こえる
樹々を通して街の光が見える
空気は青いような浅いような
色がして、枯れ葉を通して全てが見える

ドラムが聞こえる
ユーラシア大陸よりももっともっと北の、青い星から

  君はあるとき名前を忘れた料理を食べていた
  素材の味か、化学の味か
  おいしい、おいしい、と言いながら全部食べてしまった
  ……それってとても、私に似ている

故郷は、論理の屈折だった
人たちの会話の角を踏むとぱきぱき鳴った
クラリネットの音がブラックホールの色をして、森の中、膨らんでいくと
ギターの音がそれを裁断した

今でも私の地表には銀色の雨が降る
遠い家並みは海のよう
紙の本を漁りレコードを読む

(泣きたい
(噛みたい
(吐き出したい

夕暮れに光るビルの情景に落下して。
今、現在、眼前、この世界の星の下で、
ガラス張りの宇宙みたいに私たちは、どこまでも光のように拡がって、
とても遠くなっていく私たちは未来、
いつまでもどこまでも、未来みたいに見えるといいな。

どこまでもどこまでもどこまでもどこまでも、
ポップチューンが流れ出していきますよう。
身体の震えが
止まらない、iPodを抱いて、光が止まらないうちに、
ああ、私の呼吸が君の静脈に数となって……

誰のことでも褒める君が、目を瞑って、
俯いたまま、夜に泣ける日が来ますように。
痩せた君に反発する季節の中で、
いつしか君が本当の笑みを得られますよう。

いつか私の手を握り返して。
遠い、遠い、宇宙の果ての、果て同士で。
君は、そこにいて。

君へ天国がもたらされますよう
この夜、……私に地獄しか無いとしても