日記

2月6日(土)、
ぐうぐう寝ていたところ、宅配便のドアベルに叩き起こされる。午前10時。父親宛のリンゴだった。両親はまだ寝ている。

部屋で憂鬱にだらだらしていたら、父がリンゴを切って持って来てくれる。なかなか美味しいリンゴだった。

昨日の日記は、どうも感傷的になっていて、だらだら長く書き過ぎたので、三分の一くらい削る。

今日も、生きていけないと思ったり、生きたいと思ったり、忙しい日。「あ、生きていけそう」と思って前向きな文章を書いたけれど、実際のところ、生きていくことって、誰にとっても大変なことだなあ、と思う。

 

2月7日(日)、
また徹夜して、昨日から起きてる。朝、デスクからゴミ箱にiPodを落としてしまって、ゴミ箱の中にはパンの袋とか煙草の空き箱とかしか入ってなかったのに、それきりiPodの電源が切れたまま、何の反応も示さなくなって、じわじわ絶望感が湧いてきた。全然大した高さから落とした訳じゃないから、すぐ治るだろう、と思ったのに、小一時間、充電プラグやヘッドホンを抜き差ししてみたり、もう一回落としたら治るかと思って、同じ感じで何回か落としてみたり、ばしばし叩いたりしたけれど、何の効果も無くて、ああ、新しいのを買わなきゃならないのか、35000円の出費、取り込んだCDのデータは取り出せないし、それに今日や明日は音楽無しでどう生きればいいんだ、と自暴自棄になりかけてた。Amazonではしかも、同じiPodが入荷待ちだった。それで、何となくヴォリュームを上げるボタンと下げるボタンを同時押ししたまま電源ボタンを押すと、何故か電源が入って拍子抜けした。何も異常は残っていないみたいだ。心からほっとする。35000円儲けた気になる。

夜、サバの干物とキャベツの卵とじとご飯を食べる。

今日はディランの歌を、テレキャスターを弾きながら、少し歌いすぎた。2ヶ月くらいかなあ、とにかく大分長い間歌っていなくて、急に歌ったので、少し喉が痛くなった。声が掠れるほどではないのだけど。

ひとりでいると、現実の遠近感を失う。世界が言葉で、モノクロで出来ているように感じる。モノクロは、好きだ。土の匂いや、送電線、陽の当たる背中。街にはいろんなお店があって、暗い路地を抜けると、そこでは必ず、明るい空が眼の底まで染みてくる。街では悲しみのオレンジ色の残像が、常に私に付き纏ってくる。赤い服を着た人が、いつも目に留まる。そういう、いろいろな寂しい色をした余韻を、外の世界に置きっぱなしにしたまま、私は部屋の中にいる。慣れ切っているために、部屋は、まるでこの世に無いみたいだ。あるいはここだけがこの世であるみたいだ。その中で、私は私の精神を旅する。精神の底に行きたいと希望する。人との付き合いは大事。でもそれと同じくらい、自分の心の海に潜って行くことも大事。……僕は本当に回復してきた。あとは、人と交流したい。そして自分を知りたい。誰のことも気にならない、私自身の心の奥にある場所。行きたいな。行ったことはあると思う。いっぱいいっぱい努力して、人を知りたい。そして何より自分を知りたい。自分がいる、この世界を、知りたい。