日記

10月13日(火)、
何度も聴いている内に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番が大好きになった。

夜中、アコースティック・ギターの弦を張り替えた。所要時間は25分。けっこうかかってる。10分くらいで交換できたらいいんだけど。
Martinの、1930年代の弦を現代風にアレンジした、という一風変わった弦を張った。モネルという聞いたことの無い金属を使っているらしい。1930年代のブルースの、枯れた、乾いた音を想像していたのだけど、びっくりするほど澄んで瑞々しい音が出て、すごくいい意味で期待を裏切られた。この弦はとてもいい。最初から落ち着いた音色だし、低音は金属音が抑えられてて、高音は透き通るような、今まで聴いたことが無いほど抜けのいい音がする。それから、一音弾いたときに他の弦が共鳴する音が、とても美しい。全然濁りの無い音。全然変わり種の弦じゃないと思った。これまで何種類か弦を試した中で、今のところ一番気に入った。値段が少し高めなのが難だけど、サウンドハウスのレビューには、弦が古くなるとまた違う音色が楽しめる、と書いている人もいた。長く使えるといいんだけど。まめにクリーナーを使って弦を拭こう。昔の弦、というと、押さえづらくて、硬い音、というイメージがあったのだけど、正反対だった。たまたま、僕のギターに合っているだけかもしれないのだけど。お勧めです。

iPodの中の曲が13000曲にまで増えている。節操が無い。

感じる心身が欲しい。大分音楽と言葉を感じられるようになってきた。

何もかも悪くなって、この身体、この僕なんて早く死ねばいいと思う。思ってしまう。
気分の落ち込みは相変わらず。

夜、また外で焼き肉をする予定だったのだけど、風が吹いていたので、家の中でホットプレートで肉を焼いて食べた。七輪で焼くほどじゃないけれど、美味しかった。

 

10月14日(水)、
抑鬱感が続いている。静かに静かに過ごしていたい。

生きることが無意味に思えて仕方が無い。無意味の何処から意味が出てくるのだろう? 何も感じない。

静かな静かな、石のような暇。静脈。

アンドラーシュ・シフの弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番がとてもいい。ずっと苦手な曲だったけれど、今はベートーヴェンの曲の中でも最高に好きな曲のひとつだ。それからやっぱりシューベルトのピアノ・ソナタ第21番が好きだ。このふたつの曲は、最近のアンドラーシュ・シフの主要なレパートリーになっているみたいで、両方を通して弾いているコンサートの動画があった。2年前のコンサートらしい。↓


András Schiff plays Schubert and Beethoven at the Foundation Louis Vuitton

ベーゼンドルファーのピアノを選んでいるところもとても好きだ。

とは言っても、コンサートやコンサートの録音よりは、やっぱりスタジオ録音の方が、何というか、形而上的な楽しみ方が出来て好きだな。つまりそこに人間の生身の肉体を感じない、という方が好きだ。……人が弾いている、と思うと、間違えるんじゃないかと緊張してしまうし、それに、うまくパフォーマンスの空気に入れなくて、自分がここにいるのが場違いなような感じがしてしまう。

ベートーヴェン弦楽四重奏をずっとアルバン・ベルク・カルテットの演奏で聴いていたのだけど、何かが違うような気がして、次に伝説的なカルテットである、ブッシュ・カルテットで聴いてみたのだけど、演奏が少しばかり古くて、多分素晴らしい演奏なのだろうけれど、聞きづらいので、他にいいカルテットは無いか、探してみた。いろいろ聴いてみたけれど、まだ僕はそんなにカルテットの演奏の良し悪しが分からないので、取り敢えず何となく気に入ったエマーソン弦楽四重奏団を聴いてみることにした。

音楽はとてもいい。けれど、他に何もする気が起こらない。ヘッドホンを外すと、生きていることが無意味だという気持ちがどっと湧いてくる。でも、ベートーヴェンの音楽は、とても、とても美しい。