日記

9月30日(水)、
ミンガスは、日記に拠れば9月21日から聴き始めているんだけど(こういうとき、日記を書いていると便利だ)、10日間、ミンガスの魅力にどっぷり浸っている。一日辺り、今のところ20曲くらいのペースで聴いているんだけど、何せミンガスの曲は長いから、普通のミュージシャンなら、一日に4、50曲くらい聴いているくらいのペースだ。僕は、iPodに入っている音楽の再生回数が(ミュージシャン別、アルバム別、曲別で)ランキング形式で表示されるアプリを使っていて(もちろん1位は全てニック・ドレイクだ)、そのランキングで(ミュージシャン別で)10位以内にミンガスが入るくらい、今年はミンガスを聴きたいな、と思ってる。ちなみにiPodの中に入っている全ての曲の再生回数は、今年の初め、全部リセットして、0回に戻した。ただ単にミンガスのランキングを上げたいだけなら、短い曲ばかり選んで聴けばいいのだけど、そういうことはしたくない。ランキングをたまに見つつ、普段はそれを全く気にせずに聴いているのがいい。

朝、思い立ってギターを録音したんだけど(ニック・ドレイクの“Introduction”)、一回録音しただけで、ぐったり疲れてしまった。録音するだけじゃなくて、何やらミキシングやマスタリングをしないと音源にならないのだけど、それがけっこう面倒くさいし、よく分からないので適当にやってる。

昼、寝ようと思いつつ、寝苦しいし、かといって起きていても何も出来そうにない。すごい雨が降っている。

やっぱり昼の3時過ぎくらいに眠って、夜の9時くらいに起きる。起きてもしばらくはぼーっとしている。昼にお茶漬けを食べただけなんだけど、お腹が全く空かないので、甘酒だけ飲んだ。

 

10月1日(木)、
10月だ! 10月はいい月になりますように。

夜中の2時。こんな時間に最高に目が覚めてくる。全く、昼間にこれくらい醒めていればいいのに。夜中の時間が好きすぎる。全くもって日に当たらない生活をしているので、またソーラー式の時計が止まるといけないと思って、時計を電灯の光に当てていた。意外と、LEDの弱い光にでも、側に置いていると時計は十分充電されるらしいことを、この間知った。その程度の光にさえ、普段当たっていなかった、ということだ。この頃、というか9月は大体抑鬱気味だったのは、日照時間が短くなったせいもあって、本当に光にほぼ全然当たらなかったから、ということもあるかもしれない。

朝。今日もまた、何とは無しに元気が無い。

夜まで起きてて、英語の勉強をしていた。フランス語と音楽理論の勉強も少しした。

 

10月2日(金)、
夜中、多分2時前くらいに眠ったと思う。5時半頃に起きた。

脳が温まるのに異様な時間が掛かる。温まると、冷めるのに時間が掛かる。

午後6時半、半日丸々ミンガスの音楽を聴いていた。他は特に何もしていない。『Three or Four Shades of Blue』という、ミンガスの晩年のアルバムで、いきなりエレキギターが鳴り出したのでびっくりした。それまでのアルバムでは普通のジャズ・ギターでさえ使っていなかったのに、このアルバムでは冒頭からディストーションのかかったギターが入ってて、すごくロックっぽい。ロックみたいなのにやっぱりミンガスの世界だ。生前最後のアルバム(『Me, Myself an Eye』)にもエレキギターが入っていた。ミンガスは1965年、43歳の時から、1970年、48歳の時までの5年間、活動を休止していて、34歳(1956年)から43(1965年)歳までの9年間が前期で、48歳(1970年)から56歳(1979年の1月)で亡くなるまでの8年間を後期とすると、前期の方が多作だし、名作と言われる作品が断然多い。前期では大体4人(カルテット)から6人(セクステット)のバンド形式で演奏していることが多くて(多分一枚だけ、ピアノ・トリオでの演奏があるし、ミンガスのピアノ・ソロのアルバムもある)、後期は大編成(何故か日本のビッグ・バンドと共演しているアルバムがある)のアルバムが多いし、あまりジャズっぽくない(フュージョン?)のアルバムを作ったり、(さっき知ったことだけど)エレキ・ギターを入れたり、ロックの要素を取り入れたりしていて、常に新しい音楽性を模索している感じだ。大編成(オーケストラも含め)での演奏にあまり慣れていない僕は、後期のミンガスを聴くのは後回しにしていた。バンド形式でのアルバムも何枚かあるけれど、それも前期のように緊張感に満ちた緊密なサウンドというよりは、空間的拡がりを意識している印象だ。この間から僕は、一応ざっとミンガスの後期のアルバムを一曲ずつくらい聴いてみていて、苦手かもしれない、と思っていたのだけど、今日は後期のアルバムを一枚ずつ丹念に聴いてた。それで結局、ミンガスの音楽は全部好きだと思った。生前最後のアルバムと、死後発表されたアルバムでは、ミンガスは病気がひどくて、ベースも何も弾いていないらしいのだけど、録音現場にはいて、あれこれ指示していたらしい。作曲はたしか全部ミンガスだったと思う(違う曲もあるかもしれない)。ミンガスの音楽にしか感じない、懐かしいような、お腹がぽかぽか温かくなるような感じは、ミンガスのベースに拠るところも大きいので、その魅力は半減しているけれど、すごく壮大で、まるで大渓谷を見渡しているみたいだ。それから、ミンガスがリラックスしている感じがする。でも、今はただ「ミンガスの音楽だから」ということで、僕が勝手にミンガスの存在を錯覚していて、良い方にバイアスがかかっているだけかもしれないんだけど、ぐるぐると音の世界に溶け込めるような感じは、やはりミンガスの音楽にだけあって、試しに他のジャズのアルバムを聴いてみたけれど、ミンガスの音楽にある、強烈な包容力のようなものはあまり感じられなかった。いろんな音楽の各々に、その音楽だけにある魅力や空気感はあるのだけど。このところミンガスの音楽をかなり集中して聴いていたからか、他の人の音楽を聴いても、アルバム毎の空気感を感じやすくなっている気がする。

午後9時、とてもとても眠い。今日は早く眠ろう。まだ朝型の生活に慣れていなくて、昼間は起きていてもぼんやりしている感じだけど、その内慣れてきて、昼間にも活発に頭が働くようになるだろうと思う。10月に入ってからは、まだ2日しか経っていないけれど、なかなかいい感じだ。今月は勉強も出来るだろうと思う。

おやすみなさい。