言葉たち


明るく、花の匂いにつつまれた朝の、明るさが続く昼、レース越しのカーテンの傍で、私は毒を飲みたい。


じゃあ、カルテにも慣れること、あるんですね?


けだるいような夏の天気。


それが必要だからそれをするときと、それが必要だと思いたいからそれをするときがある。


きらきらと、石の底に沈むように死ぬ。


人は探し続ける動物です。探すのをやめないで。


その時一瞬、彼女の生が感じられた。


存在より懇願のC#7の方がすばらしい。


ずーっと、僕は細い病棟の道を歩いているのかもしれない。僕だけがそれに気付いていないのかもしれない。


夕暮れが溶ける音が
雲に溶けていく

夕焼けの混じる音が
空に溶けていく

白い 菊の花
ガラスの雪


ねえ、夜にしか興味がない。


離れ島の薬の匂いがする。
春の匂いだ。


B-side of the moon.


はっきり言って、私たちは良くも悪くも、電気で繋がっている。


私には空気の層は分からない。
現に見えているこれが現実。


夕暮れも悲しみも無料だ。


脳は表情を変える。
脳は楽器だ。


ドアの開閉音に耳を傾ける。


そしてそれを最終的に掬うのは、平易な言葉なのだ。


病的なくらい、澄んだ街。


夜の中で
私の情熱は裸になる
あなたのラジオで私を癒やしてください


雨が降ってる
まっすぐに
大きな雨が


自尊心がゼロになる状態。
‘現実’を現実と認識しなくなる状態。


生活の中には、人が駄目になっていくパターンがことごとく網羅されている。


寂しい日々の
模様替えの音がする
昼は悲しみのように揺れる


苦い、活字の草の影のような。

*『重力』
私たちの住む街は無限だ
北の回帰線が桟橋の上で困っていても
揺すれ、衰えるのは人間の生活の影だけだ

この大きな街を生きるのだ
地上に格好いい人がいるくらい
爆弾の回路もある

それを鑑みない限り
許すのは私のギターだ

虹色の最低が私の身体の関節を壊す
手遅れになってしまえ
ぐにゃぐにゃした身体の暗い眼の内で
私は今日の分の笑みを笑んでいるから

*『旅』
夢と夢との狭間、全てと全ての中間で
まだ行き届いていない、草の持ち味
黄色いフロッピーディスクに青を入れる
白いゴミのお浚い

あの空が、苦労に
空に喚き始める。
脳が寂しい、悩みも
大きい。

甘い歌で、
虫歯になる。

有名な歌に乗って
海胆の国まで旅をする

……世界の終わりを味わいたい。


あれは遠くで鳴くニワトリだ
僕とは関係が無い

ベトナムに行こうかな?
日本語教師の口がある。

世界の何処だって、
ここにいるのと同じ。

死ななきゃならないような気がする。
どんどん迫ってくる何かが、
僕をじっとさせておいてくれない。

体を壊したい。
懐かしい夜の匂いにも僕の眼は強張っている。

世界を壊したい。
…おやすみ。おやすみ。
世界、おやすみ。

おやすみなさい、
遠い徳よ、富よ、
おやすみなさい。


空はくすんだ太平洋
真珠のような街並が、空の底には沈んでる
光、闇、屋根の下で僕は煙草を吸っている


ぱらぱらぱらぱら
それから完全に、出会いの帰り道

*『鳥』
熱い頭を抱えている
水も飲まない
返事もない
鳥だけが鳴いている

いや、あれは電子音なのか?
幻聴なのか?
いずれ何とも正しいもの
鳥が鳴いている

夕暮れが迫る気配だ
今日は何もしなかった
今日も何にもしなかった

夢を見て
煙草を吸った
鳥が鳴いていた……


アセンションを聴きながら彼女と歩いた。

景色の全てが解体されていった。

僕たちは手を繋いでいた。

ここから出て行きたかった。

光が割れる。


生活は、ただ終わるのだ。


お前は、九億の朝に目覚める。
九億の朝に目覚める。

板張りの心臓。
夜明けの鐘。


終わりの世界に
夕焼けが訪れ
川が流れた


宇宙が生まれる確率はゼロだ。

*『雨』
毎晩、雨が降る
青に波立つ空から
緑の平原へと

雨は地軸を傾ける
空間を泡立てて
泥くさい虹を作る

遠くにオレンジ色の空が見える
英国の空だ

イギリスの雨だ
強い強い雨

世界の果てが、その向こうにはあるようだ
雨足を変えて
また さめざめと……


自動車は遠くでぐつぐつ鳴っている
僕は睡い
冷たい風を腕に感じている
それから生温かい、部屋の空気を感じている

記憶の中には無数の人形があって
どの人形も、使いこまれて光っている
また 万年使われた舞台があって
古い古い人形劇を再演することが出来る

今生きていくこと
消費していくこと

日が経っていく
日が経っていく

いつか僕が死ぬ時にもまた
ただ、当たり前のように
日は経っていくだろう

今と同じように

記憶の中の人形劇場はうらぶれて
僕と一緒に埋葬される

それでもまた
人形は誰かに、受け継がれるだろう


銀色の坂道を登る


平凡な世界の中にマジックがちらほらあるんじゃない。
平凡な世界が既にマジックを超えたものなのだ。


脳は脳に属さない。


大人たちには、そこに安住できるような、自らの影が無い。


身体は老いていって痛みの中で死ぬ。
痛みの中で死ぬ!
何て素晴らしいんだろう。

いずれこの身体は停止するのだ。


幽鬱の木が咲く 揺れて

僕たちは二つの
荒い木となって
静かにしていよう


親鳥は死に、初めて小鳥は生きる


一年間悪夢を見詰める
そしてお望みなら戦争は終わる


僕はこの世界/社会にいる、と疑いなく思っている。
後天的にそう思うようになったのだ。