無題

いつも通りじゃない、いつも 昔、僕は十歳までは音楽という存在が大体は嫌いで、なのに一番欲しいものは楽器だった。チェロかギターを持っていて、ひとりで弾けたら素敵だな、と考えてた。ギターの音は、多分最初からすごく好きだった。ピアノの音が好きだと思ったことはあんまりない。それにギターは持ち運びが出来て、好きなときに好きな場所に持っていって演奏することが出来る。それってすごく魅力的だ。 十代のときに身に付いた基本的なロックのイメージが好き過ぎて、未だにそこから抜け出せない。つまり、ミュージシャンは基本的に引き籠もりで、貧弱な身体をしていて、弱々しい声で孤独なリリックを歌い、メディア露出はライブ以外には絶対にしなくて、煙草を吸ってて、ジャンキーで、多分鬱病で、気分の移り変わりが激しくて、そして全然幸せそうじゃなくて、大体早死にする、っていう、とても偏ったステロタイプな、グランジ風のミュージシャン像。今でも割にそう言うのは嫌いじゃない。と言うか、一番好きなのかも。