テロメア

君は、暗くて寒い宇宙の果ての黄色い床に突っ伏しながらアルコールの血を、流してる 揮発する花に火を灯して頭の奥の笑みを喰い殺しつつ 君は、病院の検死結果へ自分自身の解剖室へ白く冷たく何もかもを、放り出してしまった、 明るく夢のない全て…… 何だか…

(abuse)

痙攣するプラグを立て、整列する、よろよろした、ねじ曲げて(とろけそうな)パンクチュアルな。心臓の垣根。超えて生きる努力の半分は、犠牲で、とても痛い痛い。 こすれたナイロンぜんそくのイソギンチャク湿ったまめノコギリザメの解剖あんてなのついたま…

海の花の標本

青い花に飾られた風の椅子 壊れた化石 と愛を失った呪術書は 遠い未来を向いたまま乾いた氷柱になってしまった水面下 太陽は揺れていた青く融解された夢コロナ 太陽を透明に包み込んで冷たくなって微笑していた溺れながら夢を見たんだ日光を食べながら生まれ…

さなぎ

汗が流れて、田畑が散る。畦によろしく、わさびにもよろしく、全世界によろしく。人型の充電器で、今日は衛兵として、明日は線条結線として。マリネに込められた、様子見、豆がつぶれ、雲みたいに平静を保っている。仲間割れが、拡散する、ケットシーの群れ…

神経の泉

私に時間は無いし永遠もない私は血に支えられてる皆年老いて死ぬ?皆とは誰だ?私は私が空気に掠れる音と孤独と言葉と音楽しか今は何にも持ちたくない 私の中でゆっくり血が騒ぐとき血の泡立つ音の中でまだ見ぬ世界の文字が弾ける 私は空き家のまま朽ち果て…

陸路

人生を通り越した、知らない間に。 自分を信じない。私の身体には、冷たい部分と熱い部分があって、どちらを差し出せば君が喜ぶか、私には分からない。だから吐いている、影の中で、 「さよなら世界」、眠る間もなく、広告塔に照らされて、産まれたときから…

即興II

おぼえてて、計画的な世界へ。 許されないのはメロディが愛されないこと、それらが懐疑的に分解され、記号となって、溶けていく先はあなたの、空。 何だか工芸品のように、 攻撃的な色合いをした、新しい、 治されない世界、 守りたくなるような、血、みじめ…

消えていく

部屋の片付けをしている、私は自分自身の部屋が嫌いだ、 本は呼吸している、まるで排他的に、言葉なんか乗り物に過ぎないのに、 私はいっそ修道僧になりたい、でもそれは世界がつまらないと認めることかな?世界中をトランス状態に出来ないかな?インターネ…

なぜ

なぜつらいときも君は黙っていなきゃいけないのなぜ忘れたい思い出ばかりがたまっていくのなぜ僕らの遊園地には雨が降るのなぜため息ばかりが簡単に人を殺すの なぜ人間は平等だなんて言えるのなぜ僕たちはコルドバに行けないのなぜ誰も守られた自分に気付か…

小さなメモ

悲しいことばかり覚えている。あとは、少しばかりの嬉しいこと。苦しかったことや、怒りや、恐怖は、みんな忘れてしまった。 16歳の時、フリースクールのみんなで、お花見だと言って、平日の、誰もいない公園で、ビールを飲んでいたことがある。そのときの芝…

メモの詩

透き通る日々未知と無知、それが僕の生きがい壊れた潜水艦のようなガラスの声がする 蓮蓮の花それは知らない言葉に似ている そして僕は言葉に縋る音にも縋る 内省的になると声が出ないし外向的になると言葉に病む僕は僕を忘れていく 左脳と右脳に仲直りして…

理性

ドアチャイムが鳴ると、私の体液が震える。 脳髄までが孤独になったような、ひょっとしたら私の命日、 私は上の空、上の空で生きてる、 苦みの空で、ひとり泡立つ身体を抱える。 歌が、私を解体していく。言葉が、音楽が、 私をここではない場所に運んでいく…

縮図

ぬるい海域を、影の重みで推進していた。助けて、という声がするから振り向けた私の首には、目が付いていなくて、ただ白いもやもやした、息のような威圧感に 圧倒されて、怯えていた。 二十四時間は、眠るのに十分ではないから、私は地上で一番小さな虫のよ…

私は、空を置いてけぼりにして飛ぶ、笑ったままで、 息を止める、(血が乾いていく息を止めて、私の指先の奥から、別の生が、別の命が始まっていく、 想像して、想像の、別の歴史の中で、 (感覚は眠り の中へ でかけて行く、昼も夜もまだ産まれない、あの …

ノートから

現実はゆるぎなく ゆるぎなく ゆるぎなく存在している 僕はただその中にいる皆が連関している僕の思考も、聞こえる音楽も ただ愛すること 目の前の現実を今しかなく愛すること それだけで、ただそれだけで僕らは必然のかたまりなのに、 雑音とでさえも、ぼく…

永眠の前夜

背中で 夜は夜は 過去の水面で拡かれた指先のように光り光り光り続けている 人間の物語を半年後に設定する場合何だかストイックなのか冷たい風なのかそれとも夜の風は誰も楽しみの為浴びるというのでもないのか また わたし スケジュールを立てようと思った…

詩を

詩を書いてあげるいっぱい詩を書いてあげるあなたの存在を信じさせてあげる私の病気の重さに比例してあなたが私の詩集を破るとき、一ページずつの快感は加算されていくに、違いないもの あなたの存在を信じさせてあげる あなたをもっと愛してあげる その分だ…

ノートに書いた詩2

モノクロの翼を拡げる 期待は消え去って僕は本を捨てた煙草に火を付けるとすぐにそれを指から離してただ、灰になるままに任せていた 時間は回り始めた僕は遊び疲れたように本が壊れていくと思った図書館は凍り始め僕は今日一日遊びのルールを覚えすべてのゲ…

ノートに書いた詩

1何もかもがひどく冷たいここは花の中? あなたの心には都市がありますか?あるなら公園を二つ、三つ増やして行けば私たちはきっと、この壁の向こう架空の王国でその滑り台で、砂場で遊ぶことも出来ますね……? 2僕の表向きの本性は自虐と自己嫌悪だとも言…

テレビ

夜の奥には赤い線が入り組んでいて 夜には燃える思いと消える思いでいっぱいです 世界中、ひとりずつに箱庭があってそこでは鳥が鳥を追い越していく、空があります それを見上げる私の中には川のように流れていく 壊れたテレビがあります

リチウム

時の中、耳の腫れの中、数えて、今を。空気が見える。黒ずみの中に。十年前、十五年前……今は、段々新しくなる、ピアノを弾くように。死にものぐるいで生活していたんだ。 生活に手を差し伸ばすことが、たまに「愛」という名を掠める。おもちゃ遊びの子供のよ…

永遠として

私が生きていることと、私が死んでいること、の間に、違いがあるとするなら、誰に、 何にとって、どんな違いがあると言うのだろう? ――私が生きているとき、あなた達は死んでいて、私を殺そうとする、 ――私が死んでいるとき、私の望みは常に叶い、あなた達は…

夜中、目が覚めて書いた詩

この頃、鬱屈することが少なくなりました今、これを書いているのがお気に入りのペンで今、僕の手の中で温まっているこのペンがいつか友人の手に渡ればいいと思います小さな、静かな、眠りに触れるあと五ヶ月、あと五ヶ月なら、生きられるかもしれません白い…

フロムメモリー

おめでとう、おめでとう。皮膚のざわめきと無感覚から、少し超えて、未来の白い陽に照らされているあなたの心の中。ただ、今! 今のためにあなたは今を保留にするなんてナンセンスを永久に実行、しているあなたはきっとここにはいなくて、あなたは今を否定し…

白く、味のしない死んだ軟体のような夢を抱えたまま、僕は出かける。そして

時には、電飾の光が柔らかい感触となって、僕の視神経のうらがわの白いふくらみを感覚もなく突き抜け、そして瞬間、目覚めたままの「僕」の大切な悪夢のような暗がりには永遠の雪が降ります 僕は真っ白になります 「真っ白な永遠に満たされる」それが、頭痛…

消えない痛みもあなたのこともクジラのように忘れました 昼間麦の入ったコーヒーを飲んでいると不意に涙が出てきました 自転車に乗って風のない谷から一人の影がやってきました 体が液体のようにぶくぶくになればいいと思いました

(多分)

なんか 犬小屋を壊されてた わたし犬小屋なんか持っていなかったんだけどなんか 壊されてた それでふと上を見ると彼らは次は月を壊しにかかっていたんだけれどわたし 月を所持した覚えはないので無視してた ら なんか家に帰ると 犬小屋を壊されてた わたし犬…

きのうのよる、きょうのあさ

やあ、おはようおはようまた、行くね 僕はルール違反をしなくちゃならない 仮説を立てた 僕は弱くて 弱い人間だといいと思った 仮説を 腕に胸に胃に心臓に 想像 の あのあたり に 突き立てた 正直ぼくは弱い人間だと いいと思った それが証明されればいいと…

奏でる2

にんげんを、二度とクリックで変換出来ないので、一度きりの人間を、二度えいえんに愛することなど出来ないと、(呼吸の変速した枯れた樹脂、光る、皮下で)DNAの、眼に見えない透明さは、アリの嗅覚で史前から既に愛されて/いた(った、神の無関係さであり…

奏でる

冷戦時に於いて、地球は火星よりも、太陽に近かった。今でもそう信じているひとはいるし、そしてまた子供の教科書を書架いっぱいに集めたあなたは、八歳の誕生日に、茶色の小瓶を買ってもらって、中で蝶を飼うことに決めたけれど、大人になった今でも、あな…