詩
夜の奥には赤い線が入り組んでいて 夜には燃える思いと消える思いでいっぱいです 世界中、ひとりずつに箱庭があってそこでは鳥が鳥を追い越していく、空があります それを見上げる私の中には川のように流れていく 壊れたテレビがあります
時の中、耳の腫れの中、数えて、今を。空気が見える。黒ずみの中に。十年前、十五年前……今は、段々新しくなる、ピアノを弾くように。死にものぐるいで生活していたんだ。 生活に手を差し伸ばすことが、たまに「愛」という名を掠める。おもちゃ遊びの子供のよ…
私が生きていることと、私が死んでいること、の間に、違いがあるとするなら、誰に、 何にとって、どんな違いがあると言うのだろう? ――私が生きているとき、あなた達は死んでいて、私を殺そうとする、 ――私が死んでいるとき、私の望みは常に叶い、あなた達は…
この頃、鬱屈することが少なくなりました今、これを書いているのがお気に入りのペンで今、僕の手の中で温まっているこのペンがいつか友人の手に渡ればいいと思います小さな、静かな、眠りに触れるあと五ヶ月、あと五ヶ月なら、生きられるかもしれません白い…
おめでとう、おめでとう。皮膚のざわめきと無感覚から、少し超えて、未来の白い陽に照らされているあなたの心の中。ただ、今! 今のためにあなたは今を保留にするなんてナンセンスを永久に実行、しているあなたはきっとここにはいなくて、あなたは今を否定し…
時には、電飾の光が柔らかい感触となって、僕の視神経のうらがわの白いふくらみを感覚もなく突き抜け、そして瞬間、目覚めたままの「僕」の大切な悪夢のような暗がりには永遠の雪が降ります 僕は真っ白になります 「真っ白な永遠に満たされる」それが、頭痛…
消えない痛みもあなたのこともクジラのように忘れました 昼間麦の入ったコーヒーを飲んでいると不意に涙が出てきました 自転車に乗って風のない谷から一人の影がやってきました 体が液体のようにぶくぶくになればいいと思いました
なんか 犬小屋を壊されてた わたし犬小屋なんか持っていなかったんだけどなんか 壊されてた それでふと上を見ると彼らは次は月を壊しにかかっていたんだけれどわたし 月を所持した覚えはないので無視してた ら なんか家に帰ると 犬小屋を壊されてた わたし犬…
やあ、おはようおはようまた、行くね 僕はルール違反をしなくちゃならない 仮説を立てた 僕は弱くて 弱い人間だといいと思った 仮説を 腕に胸に胃に心臓に 想像 の あのあたり に 突き立てた 正直ぼくは弱い人間だと いいと思った それが証明されればいいと…
にんげんを、二度とクリックで変換出来ないので、一度きりの人間を、二度えいえんに愛することなど出来ないと、(呼吸の変速した枯れた樹脂、光る、皮下で)DNAの、眼に見えない透明さは、アリの嗅覚で史前から既に愛されて/いた(った、神の無関係さであり…
冷戦時に於いて、地球は火星よりも、太陽に近かった。今でもそう信じているひとはいるし、そしてまた子供の教科書を書架いっぱいに集めたあなたは、八歳の誕生日に、茶色の小瓶を買ってもらって、中で蝶を飼うことに決めたけれど、大人になった今でも、あな…
孤独を、記憶を睡眠薬で噛み潰す。私の身体が音楽、点になるのを待つ。LEDが向こう側で密柑色に暮れていく。画面の奥で電子が踊っている。RGBの奥へ、私の顔が流れていく。私は、私が私になるまで動かない。電話で、中の人に話しかけてた時代は終わった。今…
私はあらゆるボタンを押してまわった。dボタンで全てが消去された。 リズムが揺さぶる葉っぱたち。頭の中の音楽に、全ての有線が断ち切られていく。 何もかもが静止した通りの中、揺らめく人影。この中で私の意識と心拍だけが駆動している。 理想は全てが記…
1ねえ 思い出して私たちはかつては王国だった心の中にはまだみんな想像を超えた黄金の空を持っていて 時たま 何にも怖れないし 誰も疑わない泉の中で息を吹き返すそして 自分を王国の末裔だと知って急に悲しくなったりもするんだ 君が空なら 僕は夕焼け君が…
赤、青、緑、、、青、青、青…… 僕は君に届きたいだけ。でも僕は君に永遠に届かない。君はメールを通ってやって来る、その行間から、雨は降り続け、楽しい時も、悲しい時も、僕は酸性雨の中にいる。 海から選ばれ、空から選ばれ、僕は花火の最後の一粒。 僕は…
頁を綴じるように目蓋を閉じて、空を眼窩に閉じ込める、瞼の裏にお店を開けるようにそこで大好きな、銀色の音楽を流せるように ディスプレイで、ちかちか光っているけれど、それは違う私じゃない、あらゆるアニメやCGが、私に何かを伝えようとしているけれど…
人里離れた木の家でタイプライターで小説を書いていたい。 静かに、小さく、ひとりで。 私 忘れられたピンボール・マシン白黒写真にだけ残ってる白骨化した遺体みたいに 静か、私はここにいるヘッドホンの中に ヘッドホンは、最強の武器異世界への、頁 退屈…
丸を描いて指を入れる私をゴミ箱に捨てるように 天国には行かないけど帰り路はちゃんと知っている 帰るだけ私は帰るだけでいい
飴玉みたいに脆い強さ。パソコンは何日もシャットダウンしたまま、電線でかろうじて街と繋がっているこの部屋。 LEDの電球色ビートルズ、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ニック・ドレイク、レコード、そして真空管アンプ__少女たちの幽霊、冷蔵庫の…
沈んだ重たい木々たちは、夜の静けさの中で、ゆったりと眠りを眠る。 それにしても僕はあまりに僕自身なので、昼間の思い出が、夜には地熱のように僕を焼く。 ああ、山はいつだって僕を誘う。山鳥の声は、僕を映す鏡。 僕はいつだって僕で、夜のしじまは僕の…
秋が来た。秋の空気。世界宇宙、秋、秋の空気は透明そして帯電してて細胞を、涙で満たす. いつ起こるか、それは分からない 私が壊れる前には、「いつ」は来ない 世界は世界を外れ 私は私を外れる 正しい方向に行きたい 崩れて、叩きのめされて いつの間にか…
*望遠鏡の冷たさ、濡れた道工場の光は銀河のよう心臓は空虚を通して鳴る自意識が膨らむとみんな影になるんだねその影が、好き影の中に歌があり、宇宙があるのだから *枯れ枝のような道。街にも、日本にも、地球にも、宇宙にも僕の居場所は無い。見える世界…
寂しさの祭り蛍や魚も集う祭り金色の土管の周りで、昨日の狩を祝う夕暮れの中で、灰色の泉に沈んでいく するめいかたちが泳いでいる靴を脱いで入水する人たち 私は国語辞典を抱いてもう長年、不眠症に苦しんでいる寂しさでは負けないので、招かれるけれど み…
*1指先が笑いたくなるような休日。カーテン越しに花の匂いがする。テーブルの前で、僕は体温を感じる。昔から変わらずの歌の中で、僕は人間を喜び、人間を学び、相変わらずモノクロでしかない僕を喜んでいる。 今でも僕は僕に訊いてみる。「今すぐ死ねる?…
私はもう、何も要らない。ウォークマンに、遠い、遠い空を入れて、病院の屋上でギターを弾いていたい。空の白い魚を釣るように、電線に永遠を見るように、ただ嘘に塗れたこの世界で、与えられた指と、歌の感触を、小さくなって確かめていたい。私の存在の儚…
揺れる、揺れるよ、カーテンは揺れるよ、揺れる、いつまで揺れる?孤独な僕の、この部屋で 全て幻想なのだとしても今日吹く風の清らかなこと 僕は僕とて不安が多く薬を飲んで、ごまかして 何にもなさが清々しくて終わりが僕の新しい門出なのだと信じますけど…
秋の午後には、詩を読んで、ギターを弾いて、風景も、人の挙動も、忘れたい。 中原中也だけを読み、ニック・ドレイクだけ聴いて、全てを捨てて、死にたいのです。 秋の午後には、音楽と、詩と本だけを、友にして、ただ空っぽに、死にたいのです。 ただ空っぽ…
揺れる。時計の針が飛んで、私は飛んでる私を意識する。軽蔑する。机の下で眠れない。 魂をよく見たら、汚れているかもしれない。いかれていたかも、しれない。ペンを電灯に翳せば畝が見えて、太陽を凍らせた斑点が見えて、肥沃の土地に浮かぶゴーストのよう…
<blank><blank>—– いいえ、どこまでも届くから、私は背伸びしなくていい。 自分を失うことは本当に美しくて、私は理由のない夢を見る。そして夢の理由を語る。 語りたい。夢を見ないあなたが辛いから。傲慢なのかな? 寂しくないのかな?いつでも目覚めればひとりなのは。</blank></blank>…
……もういいよ、と誰かが言ってくれるまで、僕は引き裂くように、ギターを弾くだろう。 練炭と七輪が既に捨てられていて、僕はひどくうろたえてしまった。 610ハップとサンポールを買ったときもそうだった。母はそれを善意だと思っているのだ。 僕はそんな善…