2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

身体のこと(メモ)

「現実」や「世界」について、真っ正面から考えると、言葉が出てこなくなる。あるいは、言葉が著しく常識から外れてしまう。「何」が「本当」に存在するのか、僕たちは単に、言葉に物を当て嵌め、同時に物に言葉を当て嵌めて、それで世界の存在を分かった気…

夜中のメモ

今回こそ本当に、鬱が治ったかもしれない。似たような言葉を、期待を込めて、何度も書いてきたけれど、今度こそ、本当に良くなった気がする。とは言ってもごくたまに一週間くらい調子が良くなることはたまにあるので、また気分が落ちる可能性は十分にあるの…

日記(調子は悪くない)

1月26日(木)、 眼鏡のレンズを両眼とも合わせたはずなのに、どうも左眼の方が良く見えるので、右眼のレンズだけ合ってないのかな?、と思って眼鏡屋でもらった明細書を見たら、両眼とも同じ度数のレンズが入っているみたいだった。前に買った眼鏡と全く同…

老いた石

星の裏庭で髪を弄っている。草も花も気に掛からない。虫だって、星だって嫌なんだ。見えるようで、全ては匂いのようで、しかも何の匂いもしない。私は、一体何を見て生きているのだろう? 老いた白い髪、度の強い眼鏡、石ころだって電子の星からの、意味の無…

僕がいて

木立の中で昼のウィスキーを飲む。犬がとても寂しく鳴く。執拗に、悲しげに。僕は何もかもを感じる。電線が冷え切っている。 ち、ち、ち、という音がして、屋根から雨粒が落ちる。僕は急いで眠ろうとする。酸っぱい草の匂いがする。昼間のぬるいウィスキー。…

日記(自分を取り戻しかけていると思う)

1月16日(月)、 雨が降っている。雨音は心地いい。けれど僕はヘッドホンを付けて音楽を聴いている。音楽が楽しいと、起きているのが楽しくて、ベッドから起き上がるのが簡単だ。朝の5時に起きて、一日中UKロックを聴いていた。 読書をして、フランス語の勉…

王国

僕はここにいて、ここにしかいない。 暗い部屋の中。スピーカーから流れ出す、ニック・ドレイクの歌の中。 僕はここにいて、ここにしかいない。 *街外れの港には、油のにおいが染みていた。電柱の影は銀色で、送電線が光っていた。 夕暮れに、船はぎしぎし…

暗めのメモ

死が美しいとか、死に惹かれる、と思ったことは、多分一度も無い。不安から逃れられる一番安直な方法として自殺を希求し続けただけのことで、それは多分、誰だって同じなんだろうと思う。今僕は相変わらずストゥージズの『ファンハウス』を聴いていて、基本…

音楽が聴けるようになってきた

この世はそれ自体が不思議だ。 音楽を聴く為に音質は、ある程度は必要ではあるけれど、少しでもいい音をと拘る必要は無い。オーディオにたくさんのお金を注ぎ込むくらいだったら、レコードやCDを買った方がいいと思う。いい音を聴けたら、それだけで気持ちい…

安定剤の中で

絵だって歳を取る。私は十万人の老人に囲まれて暮らしている。印象的な微笑みは、鏡の中に。 寂しさを、睡眠薬で噛んで飲み下す。リンドウの花が、蜂の巣の中で咲いている。 人は、人の孤独を「美しい」と言う。瞳孔の中で揺れているのは、いつも涙の海の光…

日記(落ち込み気味だ)

2023年1月3日(火)、 午後、久しぶりに、自分が自分であることを思い出した。ひと月近く、僕は、僕が僕である感覚を忘れていた。風の音、そして空の匂い、この寂しさの中を生きていくこと。大事な感情や感覚を、僕はすぐ忘れてしまう。自分が自分であること…

理由なんて無く、鳥が飛ぶ誰を殺しても、いいみたいに誰が死んでも、いいみたいに 私は台所にいる一枚のまな板が濡れている

白い朝

風の音。冬の冷たい、自動車のエンジンの音。――ああ、僕が住んでいるカラフルな世界。 一人。僕の部屋の、そして僕の、冷たい影。WALKMANが朝陽を運んでくる。 色の無い天使__僕。 君は僕よりずっと孤独なギターを弾く。 その面影を、僕もまた、たった一音…

ひとり

湖の底で、しゃがんで、僕はいくつもの動詞を覚えた。詩人たちの根を、手のひらでゆっくり暖めた。